GMPはアメリカ生まれ、アメリカのGMPが世界をリードしてきた。他方、日本のGMPは1960年薬事法とし正式に誕生した。しかしその後のグローバル化の動きから、2014年日本はPIC/S GMPに加盟し従来のGMP基準とのギャップを埋めるために同年8月にGMP省令施行通知が大幅に改正された。更にICH – Qトリオ (Q 8,9,10) 、Q 11 (原薬の製造と開発) 、及びQ 12 (ライフサイクル管理) など、新たなGMP規制動向から、品質マネジメントの考え方が導入されたGMP省令そのものの改定が来年度にも計画されている。この様な国内外の当局規制の要求事項の変化に対応した、医薬品製造業における適切なGMP管理体制の構築と要員確保が急務と言われる。
本セミナーでは新たな規制動向を踏まえ、医薬品の各製造工程を、原料の受入れから、製造と試験の実務作業の手順、最終製品試験の試験検査を経て保管管理、製品出荷に至る流れに至る、各作業に必要な項目、記録、留意点などの基本事項を、順を追って詳細に解説する。
「GMPとは何か」をゼロからでも学ぶことのできるように、GMP管理を行う上でよく発生するトラブル事例なども交え、図解を多く取り入れ解り易く解説することを心掛けます。またセミナー最後には、演習問題により基本的GMPを自己評価し、理解を深めて頂くことができるようにしました。
- 第1部:身に着けておきたいGMPの基本知識
- はじめに
- 医薬品、原薬、製剤とは
- GMPとは
- GMPの目的
- 医薬品のライフサイクルとグローバルGMPとは (ICH Q7、PIC/S GMP、cGMPなど)
- 製造販売業GQPと製造業GMPの関わり
- GQPとGMPの責務とは
- GQP/GMPの運用事例
- GMPの基本事項
- 製造部門及び品質部門
- 医薬品製造管理者
- 職員
- 製品標準書、基準書・手順書とは
- 構造設備
- 製造管理
- 品質管理
- 製造所からの出荷の管理
- バリデーション
- 変更の管理
- 逸脱の管理
- 品質等に関する情報及び品質不良等の措置
- 回収処理
- 自己点検
- 教育訓練
- 文書及び記録の管理
- 生物由来医薬品等の製造管理
- 第2部:GMP要員としてのスキル構築と業務のポイント
- 原薬のGMP管理 (原薬GMPガイドライン)
- 製品品質の照査
- 再加工、再処理
- リテスト
- 不純物プロファイル
- 製造販売業者と原薬の製造業者
- 製造販売業者と原薬等登録原簿 (MF:マスターファイル)
- 治験薬GMP
- GMP関連用語
- 原料・資材の入庫から製品出荷まで (トラブル事例も交えた運用手順と対応例)
- 原料・資材の入庫、受入試験、保管と表示
- 原料・資材の出庫
- 製造指図書・記録書の発行、製造作業と製造記録
- 設備機器の点検と衛生管理
- 機器の校正 (キャリブレーション) 、計量と識別の管理
- 製造用水の管理。設備機器の洗浄、小分け・包装作業の管理、ラベル管理
- 品質部門の行う試験検査、検体のサンプリング、試験検査記録の作成と保管
- 標準品及び試薬・試薬の管理、参考品の保管
- 安定性試験と安定性モニタリング、規格外試験結果の措置 (OOS)
- 製品の入庫管理と保管管理
- 製造所からの出荷管理
- グローバルGMPに要求される品質マネジメントシステムの構築とは
- 品質リスクマネジメント
- 製品品質の照査
- 供給者 (サプライヤー) 管理
- CAPA及びマネジメントレビュー
- 今後のGMPについて
- 第3部:実行性の評価
- GMP要員としてのスキル習得用模擬演習 (自己評価)