(2017年10月25日 10:00〜11:30)
イオン液体は、イオンだけからなる常温で液体の塩であり、構成イオンの分子設計を通じた機能開発が可能である。そのような背景から、イオン液体が活躍する分野はイオニクスデバイスからバイオサイエンスと多岐にわたる。本講演では、イオン液体の基礎知識のみならず演者らが取り組んでいる研究分野を中心とした研究展開について述べる。
(2017年10月25日 12:15〜13:15)
リチウムイオン電池の安全性確保は、さらなる広範な適用への主要課題といえる。この目的で、材料レベルでの難燃性・熱安定性の高いものが種々提案されている。とりわけイオン液体に関しては、多く研究され難燃性電解液材料として期待が大きい。 ここではリチウムイオン電池への適用を念頭に置いた、イオン液体の熱安定性評価の概要と取組みの例を紹介する。
~燃えない蓄電池やキャパシタ、次世代太陽電池への可能性~
(2017年10月25日 13:25〜14:25)
水や有機溶媒を全く含まない液体であるイオン液体は電気化学デバイスにとっては夢であった不揮発性電解液として注目されるようになって以来、その電解液特性についてかなり検討されてきました。 本講座では特にリチウム二次電池を中心にイオン液体が有機溶媒電解液との相違点が浮き彫りとなるように種々の報告を紹介します。 また、今後の展望として、イオン液体に端を発するユニークな液体電解液であるアルカリ金属低温溶融塩、またユニークな固体電解質の可能性を秘める有機イオン性柔粘性結晶のようなゼロソルベント系物質群について紹介したいと思います。
(2017年10月25日 14:35〜15:35)
二次電池や燃料電池向け固体電解質への展開を目的として、イオン液体の持つ優れた特徴を「固体」として利用する試みが精力的に行われています。本講座では、このようなイオン液体を出発点とした固体イオニクス材料に関する研究の概況を紹介します。
(2017年10月25日 15:45〜16:45)
電気自動車や太陽光・風力発電の有効利用のためには、安価で資源豊富な材料で構成される中型・大型の蓄電池の開発と普及が求められる。これまでに演者らは、リチウムイオン電池およびナトリウムイオン電池の部材開発において、それぞれケイ素系複合負極および合金・酸化物系負極の創製に成功してきた。 これらの次世代負極にふさわしい電解液としてイオン液体が注目を集めているが、本発表ではその理由とイオン液体に求められる資質について解説する。また、筆者らがイオン液体電解液の適用により高性能化に成功した負極についてデータを交えて紹介する。