日本のゴム産業に“負のDNA” を探すと、経験則至上主義と科学的思考からの離反が挙げられます。黎明期に明治政府の育成対象から外れたゴム工業は、金銭目的の配合師の暗躍などで、客観的な技術論の交流が失われたままの土壌が形成され、それは現在まで尾を引いています。
本講座では「ゴム技術の総体を科学的思考と共に向上させる」ことを目的にプログラムを組みました。特に、配合設計と混練加工が抱える共通項的な問題点とその解決策を具体的に提示します。また、ひとつの会社に属していては接することのできない、しかし応用性の高いゴム技術を詳説します。これらの情報を包括的に学ぶことで、皆さんの会社に適したゴム技術力を増強する具体的手段を見つけていただくことを講義の主眼に置いています。
- ゴム技術者のための 配合技術の論点
- 量子論的配合論 : 最新化学研究を通して配合設計という職能を見直す
- フィラー : 意外に狭い選択範囲の自覚と広い選択のための充填材論
- カーボンブラック : ここまで理解していれば合格点と言える技術水準
- 配合設計の共通項的弱点 : ポリマーブレンド技術と顔料配合の稚拙
- 意味のないチャレンジ : CNTやCNFを評価する付和雷同的社風
- どこを直したら良いのか分からない 混練加工技術の正体
- 突き詰めると奥が深い コンパウンド養生技術の巧拙
- 知らない会社は苦労を重ねる 油脂添加剤のコンパウンド制御論
- 工場立地環境の技術論 環境水分の影響と阻止技術
- 全てを配合設計で解決しようとする悪癖 製造装置基因問題の峻別
- 学ぶ機会に恵まれない 会得必修の周辺技術
- フッ素ゴムとシリコーンゴムを使いこなす基本
- 天然ゴムラテックスを試作するために必要な技術と装置
- 配合設計難度最高ランクのアイテム紹介と求められるゴム技術
- 物性測定装置の限界と物理学との乖離
- 余録 ゴム技術力伸長の方法論
- ゴム系協会誌論文が現場で空回りする理由
- 現実を反映させた 配合技術者社内育成法