医薬ライセンス業務の担当者は研究、開発、営業部門を中心に創薬に関わる全ての部門から集められていますが、ライセンス部門の研修体制が整っていない企業が多いように思います。その結果、OJTで経験を積みながら業務を進めてきたけれど、医薬ライセンス業務を今一つ理解できていないという不安を訴える担当者が多いように思います。特に、中小の製薬企業や大学、投資ファンドの担当者から競合企業のライセンスフィー設定の考え方が全く理解できないという質問を受けることが多いです。
そこでこのセミナーでは、まずライセンス業務全般について整理しておきたいと思います。その上で、具体的な事例を参照しながら企業間でライセンス化合物の評価と提示されるライセンスフィーに大きな差が生じる理由について考察し、そのようなケースでの対応方法についてもお話したいと思います。
第1部 いまさら聞けない医薬ライセンスの基礎知識
(2017年10月30日 10:30~16:30)
- 医薬ライセンスの特徴
- 医薬品の承認認可制度
- 研究開発
- 医薬ライセンスの基礎知識
- 対象
- ライセンス形態
- ライセンスフィー
- ライセンス契約と付随契約
- ライセンス交渉の流れ
- 候補化合物の選定
- 秘密保持契約
- 主要契約条件の協議
- デューデリジェンス
- 契約書
- ライセンス化合物の評価
- ポートフォリオ分析とTarget Product Profile
- 公開資料による候補化合物の選定
- 秘密資料による評価
- 収益性分析
- デューデリジェンスによる最終評価
- 契約書の作成
- 覚書
- 契約書の内容と注意点
第2部 ライセンスフィーの設定方法と企業間で差が生じる主な理由
(2017年10月31日 10:30~16:30)
- ライセンスフィーの設定方法
- 古典的なマイルストンの考え方
- 対象
- 設定方法
- 古典的なロイヤルティの考え方
- 対象
- ロイヤルティの設定方法
- 収益性評価における開発リスク、販売リスクの織り込み方
- 最近のライセンスフィーの考え方
- 高売上高/高収益の反映方法
- コマーシャルマイルストン
- サブライセンスにおけるライセンスフィーの考え方
- 特許ホルダーの位置づけ
- サブライセンスの収益性評価
- ライセンスフィー配分の考え方
- Win – Win条件の考え方
- 収益性分析における50/50との違い
- リスクシェアとプロフィットシェア
- 交渉相手企業の希望額や競合他社の提示額が大きく異なる場合の主な理由
- 化合物評価の違い
- 収益性評価の違い
- 競合に打ち勝つための交渉戦略
- ライセンスフィー以外の経済条件関連条項
- 事例に学ぶ開発・販売戦略の見直し
- 大手製薬企業の開発・販売戦略
- 医療領域の重点化
- 競合を軽減する開発・販売戦略