ヒューマンエラーは業界・業種問わず、どのような職場においても起こりうるものです。ヒューマンエラーは「作業のしにくさ」「作業環境のまずさ」といった要因 (作業阻害要因) によって引き起こされる「結果」と考え、それらの要因を見える化し、排除・緩和することが必要です。
本講習会ではまず、ヒューマンエラーとは何か、どのようにして起こるのか、また、状況やタイプ別ヒューマンエラーの傾向等の基礎知識について説明します。また、ヒューマンエラーを引き起こす作業阻害要因について説明し、簡単な調査票の記入作業を通して、「作業阻害要因の見える化」を試行・体験頂きます。
また、ヒューマンエラー防止のためには、ヒューマンエラーが起こらないようにするだけでなく、万が一ヒューマンエラーが起こっても、それを不具合につなげないための仕組み作りが大切です。このような「ヒューマンエラー防止マネジメント手法」として、再発防止および未然防止の観点から取り組むための分析/管理手法についていくつか紹介します。
本講習は、宇宙開発関連業務におけるヒューマンエラー防止関連活動をベースにしていますが、紹介する知見は他業種においても展開可能なヒントや参考になることでしょう。是非、本講習をご活用ください。
- はじめに (宇宙開発業務における失敗事例の紹介)
- ロケット系、人工衛星系の失敗事例の紹介
- ヒューマンファクターズに関する基礎知識
- ヒューマンエラーとは何か
- ヒューマンエラーが起こりやすい職場とは…
(ヒューマンエラー発生に関係する人間特性など)
- タイプ、状況別ヒューマンエラーの傾向と対応策
(初心者、ベテラン、焦りやすい、ルールを守らない…等)
- ヒューマンエラーが発生するのはなぜか
- ヒューマンエラーをした本人が悪い? (原因帰属の考え方)
- ヒューマンエラー発生のメカニズム (m – SHELモデルの考え方)
- 作業阻害要因 (PSF) とはなにか
- 要因の見える化を試行・体験してみよう (作業阻害要因簡易診断)
- 講習時に調査票への記入作業を行います。
診断結果につきましては、後日ご送付申し上げます。
- ヒューマンエラーを不具合につなげないために…
- 事象のチェーン等の考え方
- 2つのアプローチ (再発防止と未然防止)
- 後悔せずに反省し、次へつなげる:「再発防止」のためのヒューマンエラー防止マネジメント手法
- 不具合に至った経緯を整理する
- バリエーションツリー分析
- いきさつダイヤグラム
- 問題点 (ヒューマンエラー) を明らかにし、その要因を洗い出す
- 対策志向のなぜなぜ分析
- PSF法 (リファレンス・リスト法)
- ノタメニ構文法 (補助ツール)
- 対策を検討する
- 段階的に考える
- 2つの側面から考える
- 主要な対策カテゴリー
- 対策例、活動例の紹介
- 転ばぬ先の杖:「未然防止」のためのヒューマンエラー防止マネジメント手法
- 品質に着目したヒヤリハット/潜在ヒヤリハット
- 気がかりを事前に洗い出す (カモをつかまえる)
- 気がかり管理
- 作業阻害要因を活用した職場改善
- PSF管理
- その他の活動例
- まとめ