本セミナーでは、熱交換器に焦点をあて、適切な熱移動を行うための基本技術をやさしく解説いたします。
私たちは、暖冷房や調理などたくさんの『熱』に囲まれて生活しています。そして、無意識のうちに普遍と錯覚する地球環境へ熱を捨てていることが多いです。 工学でいう『熱』とは、熱エネルギーを意味して、仕事と互いに変換可能なエネルギーの形態のひとつです。熱エネルギーの移動には、温度差や状態変化が必要です。したがって、普遍に思える地球環境に熱を捨て続ければ、それは熱汚染になり環境破壊に繋がります。 また、機械は、何らかのエネルギーを得て人や社会に役に立つ仕事をしますが、エネルギーを100%仕事に変換することは不可能です。機械が仕事として取り出せなかったエネルギーは、最終的にすべて熱エネルギーとして排出されるので、機械と熱は切っても切れない関係があるのです。 したがって、適切な熱回収技術や熱交換技術が重要となります。東日本大震災以来、私たちの省エネルギー意識はいっそう高まっています。捨てる『熱』を活用したり、地球環境に拡散してしまった熱を回収して再利用したりする技術は省エネルギーの観点からも地球環境保護の観点からも重要なのです。 本講習会では、熱交換器に焦点を当て、適切な熱移動を行うための基本的な技術についてやさしく解説します。