本セミナーでは、欧州のプラスチックや有機廃棄物に関する規制・法制化状況等の情勢を踏まえて、生分解性プラスチックの技術・市場の動向と展望を解説いたします。
フランス政府は世界に先駆け2020年より使い捨てプラ容器の禁止に係る新法を制定し、生ごみと共に堆肥化可能な生分解性プラスチック容器への転換 (50%<) を政策目標として掲げた。折しも、オランダのCorbion-Purac社はNatureWorks社 (米) に続く世界で二番目のポリ乳酸の大型商業プラントの建設に着手した。従来の既成概念・価値観を根底から覆す真に革新的な全ての新技術が辿る社会的認知度曲線 (ハイプ・サイクル/ガートナー) からすれば、生分解性プラスチックは1980年代の「黎明期」から新規性が喧伝される過度な期待ピークの「流行期」を経て、その後技術改良やコスト低減に時間を要する「幻滅期」に入ったが、今や技術も進歩し市場環境も整う中で再度登場する「回復期」に入りつつあり、今後は着実な市場拡大と成長が見込まれる「安定期」に至ると想定される。 本講では、今後需要拡大が予想される生分解性プラスチックに関して、特に使い捨て容器・簡易食器具・包装材や農林・土木・園芸分野を中心に、最新の材料設計や成形加工技術の進展、さらには近年の市場開発動向について詳述する。これまで産学両分野で約30年間、ポリ乳酸を中心とする生分解性プラスチックの基礎・応用研究から技術・事業開発までを世界に先駆け成し遂げた講師による渾身のセミナーである。