成形プロセスにおける高分子の結晶化挙動は静置場とは全く違った様相を呈する。結晶化速度は流動の影響で数千倍・数万倍になり、一方、結晶化の核剤はほとんど役に立たない。さらに、結晶化により溶けたものが固化することを考慮しないと、成形プロセスの流動場の解析が成り立たない。
本講では、多くの事例を交えながら、実際のものづくりの場での高分子の結晶化の本質的な考え方について述べる。
- 成形プロセス中の結晶化の基礎
- 冷却過程の結晶化
- 分子配向の基礎:
- 固体の分子配向と溶融体の分子配向
- 応力 – 光学則
- 流動場の結晶化:
- 成形プロセス中の結晶化の解析事例
- 結晶化のオンライン計測手法:
- 溶融紡糸過程の解析事例:
- フィルム成形過程の解析事例:
- 射出成形における結晶化の解析事例
- 溶融成形過程の移動現象諭と高次構造形成
- 溶融成形過程のモデル化の基礎
- 高次構造形成を伴う系のモデル化
- 絡み合いの影響
- 自発的構造形成
- 流動履歴の記憶効果