第1部 査察当局の指摘事項をふまえた紙データと電子データの運用方法
(2017年10月22日 10:30~13:00)
医薬品・医療機器分野においても臨床データやラボデータの改ざん、手入力や取扱不良によるデータの間違いや欠落等のデータインテグリティ (DI) の問題が当局から指摘されている。
英国当局から発出されたDIに関するガイダンスに端を発し、その後、各国等からもガイダンスが発行されている。ガイダンスにはDIに対する要求内容が明示されており、これらの内容を理解することが重要である。また、同時に規制当局からの指摘事項を学ぶことも具体的な取組みに向けた貴重な情報でもある。一方、海外の製薬企業ではいち早くDIへの取組みを進めている。
本講演では、各ガイダンスを鳥瞰して、当局が何を求めているか、どのような点を指摘しているのかを踏まえて、データガバナンスのアプローチ、ALCOAの原則から見た紙と電子データの運用等を解説する。また、海外の製薬企業におけるDIへの取組みなども併せて紹介する。
- データインテグリティ – その背景と定義
- 主なデータインテグリティに関するガイダンスの発出状況
- 各ガイダンスの重要点とその解説
- MHRA (英国規制当局) ガイダンス
- WHO (世界保健機関) ガイダンス
- FDAガイダンス
- PIC/Sガイダンス
- 規制当局のDIへの対応
- HPRA (アイルランド規制庁) から見たデータインテグリティの査察ポイント
- FDAワーニングレターに見るデータインテグリティ関連指摘事項とその対策
- 各ガイダンスから見た「紙と電子」データの管理と運用方法
- 海外製薬企業におけるデータインテグリティの取組み事例
- AMGENのQCラボにおけるデータインテグリティ実践的アプローチ
- NOVARTISのデータインテグリティの取組みと手法の紹介
- クオリティカルチャとデータインテグリティ
- データインテグリティに関する日本国内の動向
- 医薬品医療機器総合機構 (PMDA) の講演に見るデータインテグリティの考え方
- データインテグリティへの対応
第2部 分析機器における監査証跡機能などを活用した対応方法
(2017年10月5日 13:45~16:30)
近年、査察当局はデータインテグリティへの関心を高め、特に、分析ラボにおけるデータインテグリティに関する指摘事項も多く発行している。本講座では、分析機器の監査証跡の扱い方やレビュー方法など含め、分析ラボの分析機器における査察当局が求めるデータインテグリティへの対応について講演する。
- PIC/S GMPガイドライン Annex 11
- 当局が発行するデータインテグリティガイダンス (MHRA, FDA, PIC/S)
- 分析機器における紙データと電子データ
- 分析データの保護
- 分析機器へのアクセス権限
- データのバックアップ
- 分析機器のオーディットトレイル (監査証跡)
- コンピュータ化システムの基本特性
- データのライフサイクル
- 試験業務における性善説と性悪説
- 性悪説を前提としたリスク分析と対策立案
- クロマトシステムにおける「試し打ち」の対応
- 分析の一時中断の取り扱い
- チャンピョンデータ取得のための繰り返し分析への対策
- データ破棄への対策
- データインテグリティ対応のためのレビュー対象
- 分析機器における監査証跡 (ログ) の種類
- 分析機器における監査証跡 (ログ) の取得方法
- 分析機器に監査証跡を取得する機能が無い場合の対応
- 紙による操作ログの記録
- 分析結果の紙データと電子データの紐付け
- 分析データへの電子署名
- 分析データ (電子データ) のロック
- 監査証跡などのレビュー方法
- 監査証跡などのレビューにおけるポイント
- 監査証跡などのレビュー後の対応・対策
- 質疑応答・名刺交換