放熱・熱伝導性フィラーの技術動向 完全網羅セミナー

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本セミナーでは、高熱伝導化を図るためのフィラー添加の基礎から解説し、熱伝導性材料の最適設計、フィラーの選定について詳解いたします。

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プログラム

第1部 放熱、熱伝導性材料開発のための窒化物 (AlN、BN) フィラーの評価と応用

(2011年5月26日 10:30~11:50)

 近年、情報の大量伝送、電子機器の小型化、照明機器の高性能化等の急速な進展に伴い、デバイスからの発熱量は増大の一途をたどっており、放熱が重要な課題となっている。  樹脂は材料コストの観点、成形・加工の容易性から回路用基板材料、電子部品の封止材や電気絶縁材料として広く利用されてきた。一方で、樹脂の熱伝導率の向上のために、シリカ (SiO2) やアルミナ (Al2O3) 等の酸化物フィラーが添加されている。  現在、樹脂の更なる高熱伝導率化のために窒化物系フィラーに注目が集まっている。  本講演では、窒化物フィラーの中でも幅広く利用されている窒化物、窒化ホウ素 (BN) や窒化アルミニウム (AlN) に着目し、これまでのフィラーに関する研究開発について解説する。  また、窒化物フィラー/樹脂複合材の高熱伝導率化に向けた最近の研究開発動向についても報告する。

  1. フィラーから見たフィラー・樹脂複合材料の製造工程と熱伝導率への影響
  2. フィラー/樹脂材料の熱伝導メカニズム
  3. 高熱伝導率無機/樹脂複合材料のデータ
  4. 市場での高熱伝導率放熱シートの実状
  5. フィラーの熱伝導率評価
  6. フィラーの分散やハンドリング評価
  7. フィラーの形状や大きさ評価
  8. フィラーの表面評価
  9. BNフィラーの優位性
  10. 市販BN粉末のフィラーとしての評価
  11. BN添加による高熱伝導率 樹脂・無機ハイブリッドフィルムの作製
  12. 高熱伝導率AlNフィラーの合成とその熱伝導率
  13. 高熱伝導率AlNフィラーのキャラクタリゼーション
  14. AlNフィラー添加による高熱伝導率 樹脂・無機複合体の作製
  15. 樹脂・無機複合体の界面構造
  16. 今後の方向性

第2部 電気絶縁系熱伝導性材料の最適設計とフィラー選定

(2011年5月26日 12:30~13:50)

 絶縁系で2~最大18W/m・Kの高熱伝導を発揮する熱可塑性成形材料〈ジーマ・イナス〉に用いたフィラー型熱伝導構造は様々なバインダ・システムに応用できる。  フィラー技術から出発して各種の絶縁系 高熱伝導材料を開発する材料設計思想について、熱可塑系の実用事例を始め、封止・接着用液状エポキシの2液型で最大7.3W/m・K、1液型で最大4.0W/m・Kという最高レベルの絶縁系熱伝導材料〈リコ・ジーマ・イナス〉の特性を中心に紹介する。

  1. 酸化物系フィラーによるバインダシステムの種類
  2. 絶縁系熱伝導性材料の設計思想
  3. 熱可塑系の実用事例
  4. 材料の概要
  5. 2液型の使用方法
  6. 1液型の使用方法
  7. 物性の特徴
  8. 成形粘度
  9. 接着強さ
  10. 耐熱的信頼性
  11. 今後の開発の方向性
  12. 最新の開発成果

第3部 フィラー単体及びフィラー含有樹脂の熱伝導率評価方法

(2011年5月26日 14:00~15:20)

 フィラー含有樹脂の熱伝導性を評価する場合、フィラー単体の熱伝導性及び異方性を含めたフィラー含有樹脂全体の評価をそれぞれ行うことが重要と考えられる。従来の測定方法では、フィラー単体の評価を行おうとした場合、微小な領域の測定自体が難しく、フィラー含有樹脂全体の熱伝導性を評価する場合、同一ワークで熱伝導率の異方性を精度高く評価することは難しかった。  本発表では、マイクロメートルオーダーの熱伝導性評価が可能なサーマルマイクロスコープと、バルクの熱伝導異方性が評価できるサーモウェーブアナライザーの、測定原理、実用例、測定の実際を紹介する。

  1. 各種の熱伝導率測定方法
    1. 熱伝導率測定法の分類
    2. 微小領域の熱伝導率測定法
    3. バルクの熱伝導率測定法
  2. 微小領域の測定 サーマルマイクロスコープ
    1. 測定原理
    2. 試料の調整方法
      (試料の固定、研磨、成膜等)
    3. 実際の測定例
      (微小領域の分布測定、フィラー単体の測定)
    4. 微小領域測定における注意点
  3. バルクの測定 サーモウェーブアナライザ
    1. 測定原理
    2. 試料の調整方法
      (黒化処理、赤外線の透過への対応等)
    3. 実際の測定例
      (フィラー含有の樹脂の評価、異方性を持つ材料の評価等)
    4. バルクの測定における注意点
  4. 熱物性評価の動向

第4部 フィラー充填による樹脂の高熱伝導率化設計事例と封止成形技術の紹介

(2011年5月26日 15:30~16:50)

 射出成形用材料として適用可能な高熱伝導性ナイロン樹脂コンパウンド材の概要、技術課題、開発ポイントを述べ、樹脂設計指標に関わるコンパウンド組成と流動特性の関係、代表的物性、開発事例を提示し、あわせて防水に強い封止成形技術のご紹介、解説を行なう。

  1. 放熱樹脂の概要と技術課題、開発コンセプト
    1. 熱伝導性樹脂の概要と市場ニーズについて
    2. 代表的なフィラーと熱伝達機構の考え方
    3. 技術課題と開発コンセプト
  2. 熱伝導性樹脂の開発ポイント、各種物性と開発事例の紹介
    1. 開発ポイント、設計指標について
    2. コンパウンド組成と流動特性
    3. 耐衝撃性の改善
    4. 耐熱性、機械物性、靭性、寸歩安定性
    5. 燃焼性、成形性、耐薬品性
    6. 電界シールド性、塗装性
    7. 代表的な物性まとめ、成形条件について
    8. コストイメージ
    9. 開発事例 (自動車分野)
    10. 開発事例 (電気電子分野)
    11. マーケティング状況と今後の展望
  3. 封止成形技術の紹介
    1. 防水に強い封止成形技術の紹介
    2. 中空封止成形の特徴と溶着強度について
    3. ケーブル引き出し部の封止溶着
    4. 事例紹介と封止設計のポイント
    5. 封止成形開発・構造提案から設計、試作評価の流れ

会場

江東区役所 商工情報センター (カメリアプラザ)
136-0071 東京都 江東区 亀戸2-19-1
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