データの信頼性をどのように確保・保証するかは、科学、商取引、日常生活の安心・安全、法医学、環境保全など、様々な分野でますます重要になってきています。1993年に国際文書「測定における不確かさの表現 (GUM) 」が発行されて以来、「不確かさ」という指標をこのために利用する国際的動きが盛んになりました。
本講座では、演習を交えつつ、様々な実際的局面での不確かさの理解とその評価方法を身につけます。また、組織の中で不確かさ評価についての指導的役割を果たせる人材を養成することをねらいとします。
- 基礎編
- 背景と概要
- 不確かさが何故重要か
- 歴史的経緯
- トレーサビリティと不確かさ
- 統計的基礎
- ばらつきの表現方法
- 試料vs.母集団、統計量vs.母数
- 試料平均の統計的性質と中心極限定理
- 重要な確率分布
- 不確かさの評価方法
- 「不確かさ」の定義
- タイプA評価とタイプB評価
- 先験的分布の選択
- 不確かさの合成と伝播則
- 感度係数の意味と例
- 完全な測定結果の報告
- 実務編
- 実践技術
- 記号の選択
- 主観的評価を客観的に表現する – バジェット表
- 支配的成分と非支配的成分
- Aタイプ評価における反復数は何回が適当か
- 偶然的効果と系統的効果
- 数学的モデルの構築の考え方
- 入力量間に相関がある場合
- 偏微分 (感度係数) を簡単に求める
- 有効自由度と拡張不確かさ
- 不確かさについての7つの誤解
- 試験・分析における不確かさ評価
- 原因追求型評価と原因不問型評価
- 破壊試験の不確かさ評価
- フィッシュボーン図の利用
- 応用編
- 分散分析を用いた不確かさ評価
- 回帰分析がある場合の不確かさ評価
- 分布の伝播とモンテカルロ法
- GUMの改訂とベイズ統計の導入
- 練習問題
- 実験標準偏差
- タイプA評価
- タイプB評価
- 感度係数
- 不確かさの合成
- 不確かさ評価総合問題