第1部 GMPに対応したスケールアップ/プロセス最適化と成功率を上げる為の開発工程の工夫
~具体的事例を題材とした考察
(2017年9月27日 10:30~13:00)
低分子医薬品開発におけるプロセス化学の役割について考察する。また、実際のスケールアップ事例としてビタミンE誘導体及びビタミンD誘導体の合成研究事例について紹介するとともに、スケールアップにおけるポイント及び危険性評価等についても言及する。
- 中外製薬の紹介
- 経営戦略、領域戦略
- 開発・生産拠点
- 医薬品開発におけるプロセス化学の役割
- プロセス化学の守備範囲
- 開発過程における視点
- 開発研究事例 ( BO – 153 )
- 開発初期製法と問題点
- 工業的製法
- 開発研究事例 (OCT)
- 第1、第2、第3世代の製造法とトラブル事例
- 開発研究事例 (ED – 71)
- 開発初期製法と改良製法
- スケールアップにおけるポイント
- 単位操作毎のトラブルのまとめ
- 開発初期におけるポイント
- 危険性評価について
- 過去の重大事故の紹介 及び危険性評価事例
- 危険性実験デモ (ビデオ)
第2部 逸脱対応、変更管理を関連づけたパラメータ設定/許容値幅検討と開発段階に応じた変更管理
(2017年9月27日 13:45~16:30)
原薬の品質、収率に影響を及ぼす変動要因には反応温度、反応時間、pH、撹拌効率など反応プロセスの変更から設備の変更、原料メーカーの変更等様々なファクターがある。ICHQ7で「重要なパラメータ・特性は、開発段階中に又は実績データにより確認し、再現性のある作業に必要な範囲を定義すること」とされている。パラメータの設定を誤ると、原薬製造時の逸脱の原因になりやすく、変更管理が大変になるケースが多い。
実際のパラメータの設定方法、許容値幅の考え方、逸脱、変更管理の考え方を開発初期段階から前臨床試験、臨床試験、申請、商用生産とそれぞれの段階に応じて実例をもとに説明する。
- 変更と変更管理について
- 変更管理に関する法的規制
- 承認事項の軽微な変更の範囲
- 変更管理の手順
- 開発段階に応じた変更管理の考え方
- 原薬の品質特性に影響を与えるおそれのあるパラメータの確認と注意点
- 原薬に求められる具体的な規格項目とパラメータの関係
- 温度、時間、pH、撹拌効率、その他
- パラメータの設定の仕方、許容値幅の考え方、設定、管理方法
- パラメータを設定するための効率的な実験方法・実例をもとに
- 変更・逸脱とその対応法について
- 開発初期段階から前臨床試験、臨床試験、申請、商用生産の各段階で実際に経験した逸脱、変更の事例を説明し、そこから考えられる逸脱対応、パラメータ設定の考え方、変更管理のポイントについて説明する。
- 設備の変更
- 反応後の放置時間
- ジャケットの保温効果が想像以上に良く、オーバー反応
- 原料のグレード変更
- 低純度品 (98%) を高純度品 (99.5%↑) に変更して失敗
- 再結晶プロセスのスケールアップ
- 乾燥機の選択
- 水和物→無水和物の変換プロセスで乾燥機の選択を誤って失敗
- 目的化合物の安全性
- 原料規格の変更
- スケールアップを計画したら目的純度の原料が入手できない
- スケールアップ
- 転位反応が原因でスケールアップしたら目的物が得られなくなった
- その他