本セミナーでは、変形性関節症の遺伝子治療による軟骨再生から、これまでの基礎研究・臨床試験成績を解析、整理して解説いたします。
(2017年10月12日 10:30〜12:15)
変形性関節症治療薬としてsymptomatic OA drugsに加え、原因治療を目指しdisease modifying OA drugsも活発に創薬研究が行われている。また、創薬における有効性の指標としてバイオマーカーも重要な位置を占めることからその探索も並行して進行中である。現状の動物モデルがヒトの病態を反映しているかどうか、疼痛評価法も含め再整理した。 本講習会では、確度の高い創薬研究へトランスレートするため、これまでの基礎・臨床試験成績を解析した内容を報告したい。
(2017年10月12日 13:00〜14:30)
変形性関節症は国内推計患者1000万人以上、寝たきりの原因の10% (厚生労働省資料より) など、超高齢化社会における重要な課題のひとつである。加齢および外傷・疾病の影響で関節軟骨が変性し、本来の潤滑性・適合性を失うことが原因となるが、軟骨自体は全く再生しないので、根治治療は従来不可能であった。 本講演では、変形性関節症治療に向けた核酸医薬品、特に遺伝子治療による軟骨再生の試みを紹介し、その将来展望を議論したい。
~疼痛緩和と炎症抑制に着目したアプローチ~
(2017年10月12日 14:50〜16:20)
変形性関節症の治療では、疼痛軽減による日常生活動作の改善効果に加え、軟骨の保護を介した膝OAの進行抑制効果が注目されている。一部の保存的治療は、基礎研究、及び臨床研究により軟骨保護作用を有することが示唆されており、disease modifying osteoarthritis drugsの候補として期待されている。 本講演では、疼痛管理と膝OAの進行抑制に着目した治療戦略について、MRIを用いた最新の知見を含め報告する。