第1部. ペプチドミメティックによる膜透過性向上技術
(2017年9月26日 10:30〜12:00)
- ペプチドとは
- ペプチド性医薬品の特徴と現状
- ペプチド素材、ペプチド性医薬品の製剤化、ドラッグデリバリーシステム
- 中分子化合物の特徴
- ペプチドミメティック
- ペプチドミメティックを基盤とした中分子創薬
- 一次/二次/高次構造上のペプチドミメティック
- GPCR二量体を認識する分子メジャーと二価型拮抗剤
- 急性骨髄性白血病治療薬、抗HIV剤
第2部. 抗菌性ペプチド:膜透過性亢進・膜透過・細胞選択性の分子論とその制御法
(2017年9月26日 12:45〜14:15)
あらゆる生物の先天性免疫を担う抗菌性ペプチドは、細菌やがん細胞選択的に作用し、細胞膜の透過性を亢進し、また、ペプチド自身が膜透過する。これらの分子機構とその制御法について概説する。
- 抗菌性ペプチドとは何か?
- モデル膜に対する膜透過性亢進機構
- toroidal pore形成
- 膜破壊
- 曲率との関係
- 膜透過性と膜透過性亢進活性との関係
- 細胞との相互作用
- 細菌細胞との相互作用
- 哺乳動物細胞との相互作用
- 細胞選択性の分子論
- 細胞表面電荷
- ガングリオシド
- 細胞選択性の制御
- ペプチドの疎水性
- ペプチドのヘリックス性
- ペプチドのPEG化
第3部. 細胞膜透過ペプチド「ポリヒスチジン」を利用した分子輸送技術
(2017年9月26日 14:30〜16:00)
我々は全く新しい細胞膜透過ペプチド「ポリヒスチジン」を発見し、低分子からタンパク質・リポソームといった高分子までを効率よく細胞内へ導入する分子輸送技術を開発してきた。最新成果を含めて紹介させていただく。
- 新しい細胞膜透過ペプチド「ポリヒスチジン」の開発
- ポリヒスチジンの細胞膜透過メカニズム
- 正電荷非依存性
- 血清非感受性
- マクロピノサイトーシス
- ポリヒスチジンを利用した分子輸送技術
- タンパク質の細胞内導入
- リポソームの細胞内導入
- 腫瘍ターゲティング
- 腸管上皮層透過
第4部. 膜透過促進ペプチドによるタンパク質の細胞質送達
(2017年9月26日 16:15〜17:45)
ペプチドや抗体などのタンパク質、核酸などを、狙った細胞の中に効率よく取り込ませることはバイオ医薬品の開発にとって重要な課題の1つである。これまでに細胞膜と相互作用する様々なペプチドがタンパク質の細胞質送達に用いられているが、細胞選択性やエンドソーム離脱活性の向上が求められていた。本講演では、我々が最近発見した新規の膜透過促進ペプチドとその応用について紹介する。
- 膜相互作用ペプチドの種類と特徴
- 細胞膜透過性ペプチド (CPP; cell – penetrating peptide)
- 膜融合ペプチド (FP; fusogenic peptide)
- 従来の膜相互作用ペプチドを利用した細胞質送達の課題
- 細胞選択性
- エンドソーム離脱活性
- 免疫原性
- 新規の膜透過促進ペプチドの発見
- 受精などの細胞膜融合プロセスに関与するヒトタンパク質
- 膜透過促進ペプチド配列の最適化
- エンドソーム離脱分子数の定量
- 安全性、汎用性の評価
- 細胞選択的なDDSへの応用