はじめてのゼータ電位

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プログラム

微粒子分散系をいかに安定化させるか、DLVO理論に基づいて基礎から応用まで徹底的に解説する。キーワードはハマカー定数 (凝集促進因子) とゼータ電位 (分散促進因子) である。ゼータ電位を求めるための電気泳動移動度の測定法とその解釈について解説する。分散・凝集を定量的に決定するポテンシャル曲線と安定性を予測する二次元マップの描き方について解説し、分散系安定化のための戦略について述べる。

  1. 微粒子の集団は必ず凝集する
    1. 分子間に引力がないと分子集団から微粒子はできない
    2. 分子間に働くファンデルワールス引力
    3. 微粒子表面の分子は微粒子内部の分子に比べ高エネルギー状態にある
    4. 微粒子間に斥力がないと微粒子集団は必ず凝集する
    5. エネルギーおよび電位の尺度
    6. ポテンシャル曲線の谷と山
  2. 分子間引力と微粒子間引力
    1. 微粒子間引力は分子間に働くファンデルワールス引力を合計したもの
    2. 微粒子の凝集促進因子:ハマカー定数A
    3. 分散の目安:ハマカー定数A=10 – 21Jに打ちかつ微粒子間斥力が必要
    4. 似た者同士は引き合う
  3. 微粒子間引力に対抗する微粒子間斥力:何かで粒子を覆う
    1. 静電斥力:対イオンの雲で粒子を覆う
    2. 高分子で被覆
  4. 界面電気現象の基礎
    1. 水系と非水系の違い:誘電率の差
    2. 電荷と電場・電位
    3. 帯電微粒子は裸ではなく対イオンの雲すなわち拡散電気二重層で覆われている
    4. 拡散電気二重層の厚さと微粒子表面の電位が界面電気現象を支配する
    5. ポアソン・ボルツマンの式
    6. 微粒子分散因子:ゼータ電位 (表面電位にほぼ等しい)
    7. 分散の目安:ゼータ電位25mVが基準
  5. 電気泳動移動度の測定とゼータ電位を計算する式: ゼータ電位は直接測定する量ではなく計算から求める。どの式を用いるべきかが重要
    1. 電気泳動とゼータ電位
    2. スモルコフスキーの式:大きな固体粒子に適用、形状によらない
    3. ヒュッケルの式:小さな固体粒子や非水系に適用
    4. ヘンリーの式:任意のサイズでゼータ電位が50mV以下の球状固体粒子に適用
    5. 円柱状固体粒子の場合:粒子の方向について平均をとると球と大差ない
    6. ゼータ電位が50 mV以上では緩和効果 (拡散電気二重層の変形) が重要になる
    7. 緩和効果を考慮した式:任意のサイズとゼータ電位をもつ球状固体粒子に適用
    8. 種々の理論式の適用範囲
    9. 測定例
  6. エマルションと柔らかい粒子 (高分子で被覆した粒子) の電気泳動
    1. エマルションは同じゼータ電位をもつ固体粒子より速く移動する
    2. ヘルマン・藤田の球状高分子電解質の電気泳動理論
    3. 柔らかい粒子の電気泳動は固体粒子と全く異なる
    4. 柔らかいか固いかの見分け方
    5. 柔らかい粒子の電気泳動移動度の解析法と実例
  7. 沈降電位、濃厚系、非水系の電気泳動および動的電気泳動:CVP法とESA法
    1. 沈降電位:CVPと同じ原理
    2. 体積分率が1%を超えると濃厚系
    3. 動的電気泳動:CVP法とESA法
    4. 非水系では、粒子の電荷が非常に大きいと電荷に依存しない一定の電気泳動移動度を示すようになる:対イオン凝縮効果
  8. 微粒子間の静電反発エネルギー: DLVO理論
    1. 1個の粒子に働く力
    2. 2個の粒子間の静電斥力:拡散電気二重層の重なりに起因する対イオンの浸透圧増加
    3. DLVO理論:分散安定性を説明する標準理論
  9. 分散系の安定性を評価する方法:エクセルを用いたポテンシャル曲線の描き方
    1. 全相互作用エネルギーと分散系の安定性
    2. 安定性のわかるマップ:ポテンシャルの山の高さが熱エネルギーの15倍あると安定
    3. 凝集確率、安定度比の計算法
    4. 柔らかい粒子の場合
    5. エクセル
    6. 非水系における球状粒子間の全相互作用のポテンシャル曲線
    7. 結論

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品川区立総合区民会館 きゅりあん
140-0011 東京都 品川区 東大井5丁目18-1
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