第1部 スパッタリングによる製膜作成の 概要、基礎知識
(2017年10月11日 10:30〜12:00)
各種スパッタ法の特性・用途展開と薄膜形成技術であるスパッタリングの基礎をキーワードを中心に解説します。また、各種スパッタ法の特性や用途展開を紹介します。
- スパッタリングの基礎
- 薄膜形成法の分類
- スパッタと蒸着の比較
- スパッタ装置の基本構成
- スパッタ蒸発とスパッタ率
- 薄膜形成過程の基礎
- 薄膜の内部応力形成過程
- 各種スパッタリング技術の概略
- DC、RFスパッタ
- マグネトロンスパッタ
(バランス型、アンバランス型)
- オフアクシススパッタ技術
(含:対向ターゲット式スパッタ)
- バイアススパッタ技術
- 反応性スパッタにおける現象
- パルス技術応用
第2部 スパッタリングによる製膜の装置、実務
(2017年10月11日 12:45〜14:45)
スパッタリング法による薄膜作製技術は、すでに多くの工業的な量産装置に使われている。スパッタ法の利点は、近年の基板の大型化への対応が容易、量産性、再現性が良いなど数多くあるが、化合物膜に関して、従来その成膜速度が低いことが課題となっていた。開発、製造の現場においては、機能だけではなく、コストを考えたスパッタの最適装置、最適条件が必要となる。 反応性スパッタ法を中心にその原理を紹介しながら、応用例、トラブル対策まで解説する。
- スパッタリングの理解とノウハウ
- スパッタリング現象とは
- 蒸着膜との違い
- スパッタリング率
- 平均自由行程とは
- 圧力と薄膜の構造の関係
- 入射エネルギーと測定法
- スパッタ膜のダメージと低ダメージのポイント
- RF、DC、パルス電源と膜構造
- カソード (ターゲット)
- 各種カソードの特徴と使う時の注意点
- ドーピングの種類と使い方
- 合金、化合物の材料をターゲットにする際のポイント
- 化合物膜の作製法
- ターゲットの利用効率を上げるポイント
- ターゲットを長時間使う際の注意点
- 反応性スパッタ
- 金属ターゲットを用いた場合
- 酸化物ターゲットを用いた場合
- アノードの消失と防ぎ方
- ヒステリシス現象とは?
- インピーダンス制御
- 遷移領域を使った高速成膜
- 成膜速度を上げるには?
- 反応を活性化する方法
- 同じ条件でも異なる膜ができることがある なぜ?
- 大面積での膜厚均一化と評価
- プラスチックフィルム基板などの低温成膜
- 最近話題の用途
- 透明導電膜
- 光学薄膜
- バリアー膜
- 装飾膜
- 色純度の高い膜を作成するには?
- 金属膜の高い反射と透明膜の干渉効果
第3部 スパッタ薄膜の評価について
(2017年10月11日 15:00〜16:30)
スパッタリング法は幅広い分野の薄膜形成手法として利用されていが薄膜形成により不可避的に生じる膜応力に より引き起こされる、変形、剥離、破壊、構造欠陥などの製品の信頼性に関わる重 大な問題に対し、有効かつ汎用的な対処方法は未だ確立されていない。本講では、薄膜における 応力発生の基本をできるだけ平易に解説し、さらに、現実の技術課題への対処方法 に関連して、成膜パラメータによる膜応力制御や、膜応力測定での技術的ポイントについて解説する。
- 薄膜における応力発生メカニズム
- 薄膜 – 基板 – 応力および表面 – 歪み – 応力の基本的な関係
- 薄膜応力の発生起源
- スパッタ膜の形成過程と応力の発生
- 成膜パラメータによる膜応力変化とその制御
- 蒸着膜とスパッタ膜との違い
- 成膜パラメータと膜応力の本質的関係
- 成膜パラメータ制御のポイント
- マクロな膜構造の膜応力への影響
- 膜応力の評価方法:長所・短所と問題点
- 膜応力の測り方とそのポイント:何を測定しているのか?
- 直接的手法:X線回折法の注意点と測定例
- 間接的手法:ラマン分光法の注意点と測定例
- マクロ的手法:基板曲率法の注意点と測定例
- より複雑な薄膜構造体ではどうするか?