本セミナーでは、樹脂の光学特性向上について基礎から開発し、屈折率と透明性を両立させる手法について詳解いたします。
(2017年9月29日 10:30~12:00)
光学用途に用いられる透明樹脂の特性向上・新機能付与を実現する技術の一つに、異なる屈折率を有するナノサイズの無機フィラーとして樹脂中に分散させる複合化技術がある。 一般的な研究開発はいかに分散性を向上させてフィラーの高充填化を達成するかに目が向けられているが、複合材料としての微構造を精度良く制御することができれば、透明性を維持した状態での無機ナノフィラーとの複合化が達成され、大きな屈折率制御能を付与することが可能となる。 本講演では、無機ナノ粒子との複合化によるアクリル透明樹脂の屈折率制御を中心に、導電性等の機能付与にも取り組んでいる講演者の研究事例として、通常の無機フィラーとの複合化手法として用いられるブレンド技術とは大きく異なる、微粒子集積法による無機ナノ粒子の高精度配列制御型のアクリル樹脂系透明複合材料について解説する。
(2017年9月29日 12:45〜14:15)
光学用コンポジットでは、透過率を出すために無機フィラーがシングルナノサイズになり、その比表面積から、表面処理剤を、無視できない第3成分と考える必要が出てくる。一方で、目標屈折率のためには無機フィラーの高含有量化も求められる。 旭硝子 株式会社 の全フッ素樹脂CYTOP®と無機フィラーという、親和性のかけ離れた組合せにおいて、当初開発命題を、如何に表面処理をしないか、として取組んだ。最終的に、CYTOP®に中空シリカを33vol.%透明分散させることに成功した。 シングルナノにおける、分子の表裏も利用する材料設計のイメージをお伝えしたい。また、開発過程で見出した、ユニークなナノ粒子合成法についても紹介する。
(2017年9月29日 14:30〜16:00)
透明樹脂製品の分子配向分布や内部応力分布を知ろうとした場合に、複屈折測定は大変有効である。しかし、これまでは複屈折評価は限定的にしか活用されてきていなかった。 本セミナーでは、最新の複屈折評価技術や測定原理を紹介するとともに、具体的な測定事例・活用事例を紹介することにより、複屈折測定データの活用法の習得を目指す。 難解とされることの多い複屈折やその活用法の知識を、数式を用いずに直観的に理解できる考え方を紹介する。 また、複屈折測定市場の最新トレンドについても紹介する。