樹脂の低誘電率化設計と熱・機械特性の向上

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本セミナーでは、樹脂の低伝送損失、高周波特性に優れた材料設計について解説いたします。

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プログラム

第1部 低伝送損失を実現する低誘電ポリイミド樹脂「PIAD」の開発

(2017年9月20日 10:30~12:00)

 当社が開発した溶剤可溶型ポリイミド樹脂「PIAD」は、低誘電特性、高耐熱性、平滑な銅箔への高接着性を特徴としており、低伝送損失が求められる高周波基板向け接着剤成分として有用と考えられる。  本発表では設計思想と樹脂物性に加え、当樹脂を用いた高周波対応用途の各種応用例、当接着剤を用いた基板の伝送損失評価等について説明する。

  1. 開発背景
    1. プリント基板の技術トレンド (高周波対応)
    2. 伝送損失とその改良方針について
    3. プリント基板材料 (硬化性材料) の主要成分について
  2. ポリマー設計
    1. ポリイミドについて
    2. ポリマー設計方針 (加工性改良)
    3. ポリマー設計方針 (低誘電化)
  3. 新規ポリイミド樹脂「PIAD」
    1. 製品概要
    2. 樹脂特性
  4. 新規ポリイミド樹脂「PIAD」応用例
    1. 低誘電カバーレイ、ボンディングシート
    2. 低伝送損失FCCL
    3. 平滑銅箔対応低誘電プライマー

第2部 高周波用誘電材料へ向けた無機有機複合誘電体材料の設計

(2017年9月20日 12:45〜14:15)

 通信技術の高度化に伴う情報量の増大やミリ波レーダ等のミリ波帯域の利用拡大により、利用周波数の高周波数化が進んでいる。我々は、その高周波用途に適した誘電特性に加え、熱・機械的特性も改善させることを目的とし、高熱伝導・低誘電損失セラミックをフィラーとして用い、樹脂系マトリックスに分散させたコンポジット誘電体材料の開発に取り組んでいる。本講演ではその内容について紹介する。

  1. 研究背景
    1. 高周波数帯の利用の拡大の背景
    2. 高周波に求められる諸特性 (誘電特性を中心に)
    3. 主な誘電体材料の位置づけ (樹脂、セラミック、コンポジット)
    4. 低損失誘電体セラミック材料の紹介
  2. 研究事例の紹介
    1. 等方性MgOフィラーのフィラーサイズ効果と低損失化
    2. シクロオレフィンポリマー (COP) を用いたCOP/MgO コンポジット材料の諸特性
    3. MgOフィラーの形状制御による高熱伝導率化
    4. 六方晶窒化ホウ素フィラーの配向制御と誘電特性
    5. 低損失スピネル系フィラーの材料設計とコンポジット誘電体の作成
  3. まとめ

第3部 材料設計に向けた誘電率測定技術

(2017年9月20日 14:30〜16:00)

 近年、放送や通信などの公共インフラのみならず、自動車レーダーやセンサネットワークなど、様々な分野で電磁波の利用が進んでおります。各応用先で用いられる回路や吸収体、アンテナなどの高周波デバイスを実現する際には、誘電率などの材料の電磁波特性をもとに構造設計や材料設計が行われます。従って、デバイスの動作周波数における材料の誘電率の値を正確に計測する技術は、電磁波技術の発展や材料の高周波応用を進める上で極めて重要な役割を果たします。本講座では、誘電率測定の最新の技術動向からその精度評価の方法までを解説します。

  1. 誘電率測定のニーズと代表的な測定方法
    1. 誘電率の定義
    2. 誘電率測定のニーズ
    3. 代表的な測定方法
    4. 標準化動向と計量標準の動向
  2. 高損失材料評価における不確かさ (精度) 評価
    1. 反射伝送法の測定原理
    2. 反射伝送法における不確かさ評価事例
  3. 低損失材料評価における不確かさ (精度) 評価
    1. 共振法の測定原理
    2. 振法における不確かさ評価事例
  4. 産総研における材料計測技術に関する最近の取り組み
    1. ミリ波帯低損失材料評価
    2. 高誘電体材料評価
    3. マイクロ波顕微鏡による微小領域材料電気特性評価

会場

株式会社 技術情報協会
141-0031 東京都 品川区 西五反田2-29-5
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受講料

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