新規物質発見と組成物 (混合物) を発明した場合の特許の違い、数値範囲を伴った発明など、化学・材料技術分野には、他の分野には無い特許プラクティスが存在します。この化学・材料分野における特許のクレーム解釈手法や明細書作成技術について、事例を挙げつつ、わかりやすく解説します。
知的財産部の方に限らず、技術者、研究者の方にも理解していただけるように、特許制度の生い立ちから特許用語の解説など基礎事項から始め、実務に役立つ知識を学びます。
第1部. 特許に関する一般的な知識と実務
- 特許の基礎知識
- 特許制度の概要
- 特許明細書の読み方、特許調査の進め方について
- 特許の取り方、その方法について
- 日本の特許と海外の特許 – その共通点と相違点 -
- 特許の権利解釈・総論
- なぜ他社特許分析が必要なのか
- クレームの文言範囲と権利範囲
- 「弱点」が存在する理由
- 権利範囲の解釈手法
- 用語の解釈
- 他社特許の内容をどのようなステップで分析を進めるか
- 権利範囲の限定解釈につながるもの
- クレーム解釈の具体例
- 用語の解釈
- 作用的記載
- 包袋禁反言
- 均等論
- 化合物
- 組成物
- プロダクト・バイ・プロセス
- 強い特許を実現する明細書・クレーム作成技術
- 強力な権利行使を可能とする明細書とは?
- 審査に強い明細書とは?
- 記載不備拒絶理由に備えた作り込み
- 新規性・進歩性拒絶理由に備えた作り込み
- クレーム作成技術について
- 明細書作成技術について
第2部. 化学・材料分野に特有な発明のプラクティス
- 先行特許をかわして有効な権利を取得する手段 -
- 数値限定発明
- 数値限定発明とは
- 判決例・審査基準を踏まえた数値限定発明の明細書作成技術
- どのような場合に数値限定発明が特許されるか
- 審査基準と判決例
- 先行技術を考慮した明細書作成
- 数値の臨界的意義が必要な場合と不要な場合
- 補正の根拠として有効な記載
- 実施例・比較例の記載
- 少ない実施例で広い数値範囲をカバーするには
- 中間処理
- 意見書作成のポイント
- 記載要件不備の拒絶理由への対応
- 実験成績証明書の活用
- 障害となる数値限定発明への対応
- クレームされた数値範囲はどのように解釈されるか
- 測定方法
- 無効理由の探し方
- パラメータ発明
- パラメータ発明の分類
- パラメータ発明はどのように審査されるか
- 審査基準から
- 拒絶理由の例
- 記載要件に関する判決例
- 権利解釈に関する判決例
- 判決例・審査基準を踏まえたパラメータ発明の明細書作成技術
- クレームの網をどうかけるか
- 数年後の権利行使を見据えて
- 記載要件を満たすために
- 「合理的な疑い」を未然に回避する明細書作成技術
- 障害となるパラメータ特許への対応
- 障害特許の技術的範囲は?
- 限定解釈の根拠
- パラメータ特許分析において重要なキーワード
- 無効の主張と非侵害の主張
- 用途発明
- 「用途」という構成要件
- いろいろな技術分野の用途発明
- 審査段階において「用途」はどのように評価されるか
- 請求項における「用途」の評価
- 用途のサポート要件
- 用途発明と物質発明 ?要求される実施例はどう異なるか
- 新規性・進歩性判断における「用途」の評価
- 判決例
- 医薬発明の新規性・進歩性判断
- 障害となる用途特許への対応
- 判決例・審査基準を踏まえた用途発明の明細書作成技術
- 請求項の表現
- 実施例の組み立て
- 留意事項