本セミナーでは、アクリレートの基礎化学 (モノマー、オリゴマーの構造と分子特性等) 、最近の合成・重合法の進展、今後の課題からアクリルポリマーの合成法まで分かりやすく解説いたします。
アクリルポリマーは、準汎用プラスチックとして生活の様々な分野で広く使用されている。近年、その高性能化、高機能化、カーボンニュートラルを志向して、その原料であるアクリルモノマー及びオリゴマーの新規開拓、多官能化が盛んであるが、置換基の立体障害、分解・脱離、重合副反応等によってモノマーの重合能が低下することが多かった。そのような中、最近、これまでアクリレートの重合法として工業的に汎用されてきたラジカル重合法に大きな進展がみられ、分子設計、材料設計の手法が大きく変わろうとしている。 本講では、アクリレートの基礎化学、最近の合成・重合法の進展、工業化の問題点、今後の課題等について分り易く講述する。具体的には、まずモノマー、オリゴマーの構造と分子特性、およびその新しい合成法と官能基導入法について紹介したのち、重合、特にラジカル重合の素反応と副反応等の具体的事例、速度論的解析について解説し、工業生産における課題と克服、重合の特徴と分子量および立体構造の新しい制御手法について、リビングラジカル重合などのトッピクスも織り交ぜながら講義を進める予定である。さらに、ポリマーの分析手法、生成ポリマーの機械・熱・光特性、高性能化、機能化についても言及する。