繊維強化複合材料の力学的挙動は、損傷・破壊を含めて、きわめて複雑で理解・推量不可能に見える。しかし、不均質性や界面の影響を考えてきちんと整理すれば、思った以上に理論的に現象を把握できる。逆に複雑であるからこそ、材料力学や破壊力学といった基礎知識が、実際に起きる現象を理解するために役立つ分野である。 本講義を通して、このことを実感し、複合材料を含んだ研究・開発に自信をもって取り組めるようになってもらうことが本講義の目標である。