洗浄バリデーションは交叉汚染を防ぐ手段として医薬品製造現場で極めて重要な作業の1つであるとともに、査察において最も指摘を受ける事項でもある。しかし、洗浄バリデーションの内容は、各製造施設の実情に合わせて変える必要があり、そのため各社で明確な方針を持って対応に当たる必要がある。
この洗浄バリデーション実施において検討すべき項目やその留意点、査察時の指摘事項について、これまで規制当局による査察、委受託製造における委託元の監査に対応した経験を元に解説する。
- はじめに
- 洗浄・洗浄バリデーション、なぜ重要なのか
- 洗浄と洗浄バリデーション、規制文書の記載内容
- JGMPにおける洗浄バリデーション
- EU GMPにおける洗浄バリデーション
- cGMPにおける洗浄バリデーション
- 洗浄バリデーションを実施するために必要となる文書
- バリデーションマスタープランとは
- マスタープラン作成上の留意点
- 洗浄バリデーションマスタープランに記載すべき事項
- 洗浄バリデーションマスタープランと洗浄手順書の関係
- マスターバッチレコードと洗浄記録
- 洗浄バリデーション実施における検討事項
- 洗浄バリデーションの評価対象
- 洗浄方法 (マニュアル洗浄、CIP、SIP)
- マニュアル洗浄、CIP、SIP
- 専用部品と共用部品
- ワーストケースプロダクトからワーストケースリスクへ
- ワーストケースとは何か
- ワーストケース設定上の注意点
- ワーストケースリスクへ
- ダーティホールドタイムとクリーンホールドタイム
- ダーティホールタイムの設定方法
- クリーンホールドタイムの設定
- 残留限度値設定の考え方
- 10ppm、0.1%、に科学的な根拠はあるか
- 毒性に基づいた基準
- 目視基準採用時の課題
- サンプリングにおける留意点
- サンプリング箇所の設定
- サンプリング方法の選択
- 分析方法の選択
- キャンペーン生産への対応
- 再バリデーションへの対応
- 再バリデーション実施時期の決定
- 生産数の少ない製品に対する効率的な再バリデーション
- 作業者の教育訓練時の留意点
- 洗浄作業者の適格性確認
- 目視検査員の適格性確認
- 洗浄バリデーション時の逸脱・変更管理
- 逸脱事例と逸脱発生時の対応
- CAPAと変更管理
- 査察時に留意すべき事項
- 査察手順
- 準備すべき文書
- 回答者が留意すべき事項
- 指摘事項の具体例
- 高活性医薬品製造エリアにおける洗浄バリデーション
- Data Integrityと報告書作成上の留意点
- Data Integrityとは
- Data Integrityと記録作成・報告書作成上の留意点
- まとめ