第1部
高分子材料における残留応力発生のメカニズムと低減化
(10:30~14:15)
高分子材料が異種材料と接して、そこに接着が生まれる場合しばしば界面に応力が残留する。この界面の残留応力は変形や剥離をもたらし、接着破壊、半導体素子の故障をもたらすことから、製品の信頼性向上を妨げる大きな要因となっている。
また、界面が存在しなくとも高分子材料には、熱履歴に応じて内部に応力が残留することがある。
本講演では、これら高分子材料における残留応力の諸問題について、何故というメカニズムから始まっていかに低減させるか、どうやって積極的に利用するかまでを具体的な事例を挙げながら解説する。
- はじめに – 残留応力とは -
- 残留応力のメカニズム
- 高分子の合成時に何が生じるか
- 高分子の成形時に何が生じるか
- 高分子の収縮と界面による束縛
- ガラス転移点、熱膨張係数、弾性率
- 残留応力の測定法
- 測定原理 ひずみ測定
- バイメタル法の実例
- X線回折法の実例
- その他の手法
- エポキシ樹脂系における残留応力
- エポキシ樹脂の硬化と収縮
- 残留応力の測定実例
- 残留応力低減の試み
- 粒子充てんの実例
- 高分子変性の実例
- ポリイミド樹脂系における残留応力
- ポリイミドの硬化とそのプロセス
- ポリイミド樹脂における残留応力と低減化の実例
- 高分子材料内部の残留応力
- 残留原因
- 実例紹介
- 低減化の実例
- 残留応力の利用
- 利用の考え方
- トピックス 具体例の紹介
- 複合材料における残留応力と応力伝達
- 複合材料における応力伝達
- 応力伝達とその測定の実例
- 応力伝達の改善の実例
- 複合材料における疲労とその修復
- 疲労
- 疲労修復の実例
- おわりに
第2部
半導体用封止樹脂の微小部の残留応力・ひずみ分析
(14:30~16:00)
残留応力や負荷応力を評価することは、実装部品や半導体パッケージの信頼性を評価する上で非常に重要です。
本稿では、封止樹脂の応力解析手法、特に微小部の残留応力評価が可能な分光学的手法による残留応力評価を中心に、種々の応力評価の方法について紹介致します。
また、半導体封止樹脂の残留応力について微小部の応力分布を評価した事例をご紹介致します。
- 半導体実装における応力・歪みの問題
- 種々の残留応力評価法
- 歪みゲージ法
- 表面実装デバイスの加熱変形挙動
- エポキシ樹脂封止デバイスの熱変形挙動
- X線回折法による応力測定
- 透明樹脂封止Siチップの非破壊応力測定
- 放射光によるフィラー入り樹脂封止チップの残留応力
- 分光学的手法による微小部の応力測定
- セラミックス表面の残留応力分布
- プローブ法を用いた封止樹脂の微小部残留応力評価
- モデル半導体パッケージの微小部残留応力評価
- 半導体封止樹脂の応力マッピング評価