(2017年9月13日 10:30〜12:10)
これまで水や油をはじく表面を作製するには、有機フッ素化合物を使用し、見た目の接触角を大きくすることが重要であると考えられてきた。動的濡れ性を制御することができれば、有機フッ素化合物を用いなくとも、また、接触角を大きくしなくても、水や油の滑落性を著しく向上させることができる。 本講演では、有機フッ素化合物を利用しない撥水・撥油処理について実例を挙げながら分かりやすく解説する。
(2017年9月13日 13:00〜14:40)
表面ぬれ性を表現する代表的な指標である接触角は、対象となる液体の表面張力と密接な関係があります。 また、表面ぬれ性を決定する因子として、ナノメータレベルでの表面化学組成と表面凹凸形状が挙げられ、表面ぬれ性の制御にはこれらの定量的評価が必要となります。 本講座では接触角、表面張力の基礎と測定法、表面化学組成と凹凸形状がぬれ性に及ぼす影響と評価方法であるXPS、AFMの概要について説明します。
(2017年9月13日 14:50〜16:30)
フッ素系撥水撥油剤は、テキスタイル、不織布、カーペットおよび紙などへ撥水撥油性を付与出来る、高機能材料である。 近年、フッ素系撥水撥油剤の原料であるフルオロテロマーに由来するパーフルオロオクタン酸 (PFOA) の環境ならびに生体への蓄積性懸念が高まりより広く調査・研究が行われるようになった。 本講座ではPFOA問題の概要、フッ素系撥水撥油剤の構造と撥水性能発現機構の関係について触れ、PFOAを含まない環境適合型 (短鎖型) のフッ素系撥水撥油剤の代替技術とその商品および今後の展望について述べる。