親水・撥水性表面の制御技術と分析・性能評価

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プログラム

第1部 有機フッ素化合物を使用しない撥水・撥油処理技術

(2017年9月13日 10:30〜12:10)

 これまで水や油をはじく表面を作製するには、有機フッ素化合物を使用し、見た目の接触角を大きくすることが重要であると考えられてきた。動的濡れ性を制御することができれば、有機フッ素化合物を用いなくとも、また、接触角を大きくしなくても、水や油の滑落性を著しく向上させることができる。  本講演では、有機フッ素化合物を利用しない撥水・撥油処理について実例を挙げながら分かりやすく解説する。

  1. 濡れの基礎
    1. 静的接触角
    2. Youngの式
    3. Wenzelの式
    4. Cassieの式
    5. 3相接触線の重要性
  2. 動的濡れ性
    1. 接触角ヒステリシス
    2. 転落角
    3. 動的濡れ性制御 (低ヒステリシス化) のコンセプト
  3. 有機フッ素化合物を使用しない撥水・撥油処理技術
    1. 有機 – 無機ハイブリッド皮膜
    2. 耐熱性に優れた撥油皮膜
  4. まとめと今後の展開

第2部 親水性、撥水性の評価方法と材料表面の分析

(2017年9月13日 13:00〜14:40)

 表面ぬれ性を表現する代表的な指標である接触角は、対象となる液体の表面張力と密接な関係があります。  また、表面ぬれ性を決定する因子として、ナノメータレベルでの表面化学組成と表面凹凸形状が挙げられ、表面ぬれ性の制御にはこれらの定量的評価が必要となります。  本講座では接触角、表面張力の基礎と測定法、表面化学組成と凹凸形状がぬれ性に及ぼす影響と評価方法であるXPS、AFMの概要について説明します。

  1. 親水性、撥水性の評価方法
    1. 接触角・表面張力の定義と測定方法
    2. Wilhelmyプレート表面張力測定を利用した表面・粉体ぬれ性評価
    3. 転落角・前進/後退接触角を通じた動的ぬれ特性評価
  2. ぬれ性評価のための材料表面分析
    1. Zismanプロットと臨界表面張力
    2. 表面官能基とぬれ性の関係
    3. XPSを用いた表面官能基の同定
    4. 表面ラフネスとぬれ性の関係
    5. AFMによる表面ラフネス評価

第3部 環境適合型フッ素系撥水撥油剤の開発と応用

(2017年9月13日 14:50〜16:30)

 フッ素系撥水撥油剤は、テキスタイル、不織布、カーペットおよび紙などへ撥水撥油性を付与出来る、高機能材料である。  近年、フッ素系撥水撥油剤の原料であるフルオロテロマーに由来するパーフルオロオクタン酸 (PFOA) の環境ならびに生体への蓄積性懸念が高まりより広く調査・研究が行われるようになった。  本講座ではPFOA問題の概要、フッ素系撥水撥油剤の構造と撥水性能発現機構の関係について触れ、PFOAを含まない環境適合型 (短鎖型) のフッ素系撥水撥油剤の代替技術とその商品および今後の展望について述べる。

  1. フッ素の機能について
  2. フルオロアルキル化合物の製造方法
  3. フッ素系撥水撥油剤について
  4. フッ素系撥水撥油剤の構造
  5. フッ素化合物を取り巻く環境課題について
    1. パーフルオロオクタン酸 (PFOA) のグローバル規制動向
    2. PFOAに関するこれまでの取り組み
  6. フッ素系撥水撥油剤の撥水性能発現機構
    1. 動的接触角
    2. 熱分析
    3. 分子鎖凝集構造
    4. 環境応答性
  7. 環境適応型 (短鎖型) フッ素系撥水撥油剤の材料設計指針
  8. 応用
    1. テキスタイル用途
    2. 撥水撥油性と風合いを合わせ持つフルオロ – シリコーンハイブリッド型撥水撥油剤
    3. Soil Release (SR) 剤
    4. 不織布用途
    5. 防水・防湿コーティング剤
  9. 今後の展望

会場

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141-0031 東京都 品川区 西五反田2-29-5
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