高速化・大電力化の時代に向けた車載電子機器のEMC対応設計

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本セミナーでは、EMC性能確保のための車載機器設計のポイントを解説いたします。

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プログラム

自動車においては狭い車体内部に夥しい数の電気・電子機器類が高密度で搭載されています。電動車両の増加による大電流のスイッチングノイズなどますます増加し、また、将来の自動運転化に向けては機器・機能は大規模・高速化し、車内LAN等も相当な高速化まで議論されており、EMC問題の解決は難しくなる一方であります。また、自動車内環境や複雑に分岐する車両ワイヤハーネスに接続されるなど、苦労して対ノイズ性能に優れた電子機器を完成させたつもりでもこれを車両に搭載した時に必ずしもEMC性能を発揮できるとは限らないのが現状です。  本講座においては、雑音電流の流入出が少ない回路基板設計からデカップリングや筐体へのインストール時の問題について論じ、車両に搭載する時の注意点まで含めた上でEMC性能を確保するための電気・電子システム設計について多くの事例をおりまぜつつ解説いたします。事例によっては実験とシミュレーションにより、極力物理的かつ普遍的な形で基礎から丁寧に解説します。  車載電子機器からシステムに至るまでのEMC性能確保のための設計上のポイントについてご理解頂き、設計およびDRにあたって必要な技術知識を習得して頂けるものと考えます。

  1. 車載電気電子システム概要
    1. 車載電気電子システムの現状と将来動向概要
      • 車載電気電子システムの現状と課題
      • 自動運転化に対するEMCにおける課題
    2. 車載電気電子システムを取り巻くEMC環境概要
      • 自動車の外部環境と内部環境
      • 車載電気電子機器のEMC性能評価と課題
  2. 車載化においてEMC性能を確保するためのアプローチ
    1. 車載電子システムから発生するノイズとその電流の流れ方
      • コモンモード雑音電流とノーマルモード雑音電流の車両内での流れ
      • 電子機器からの放射量とワイヤハーネスからの放射量の比較
    2. 電子機器単体設計のポイントと車載化における設計のポイント
  3. 電子機器単体におけるEMC性能を確保するための設計
    1. ノーマルモード雑音電流の流入出の少ない電子機器を設計するには
      • ノーマルモード雑音電流の外部ワイヤへの流出低減事例
    2. 回路基板の設計
      • 配線における電力伝送の物理的考察 ~回路基板パターンの正体~
      • 流入出雑音電流に関わる配線間クロストークとその低減
      • グラウンドパターンの役割と大電力回路 – 小信号回路の分割の意義
      • 信号配線パターンの引き回しとガードトレースの効果
      • 配線パターンのインピーダンス不整合の場合のEMCへの影響
    3. 素子の選定と使用上の注意事項
      • マイクロコンピュータからの流出雑音電流の低減事例
      • デカップリング用デバイスの考察
    4. コモンモード雑音電流の低減
      • コモンモード雑音電流の流入出を抑える筐体構造の考察
      • 放熱を必要とする素子の取り扱いと考察
    5. 金属板による電磁シールド
      • 金属材料によるシールドの原理とその効果
      • 金属筐体が外部配線への流入出雑音電流に及ぼす影響とその対策
  4. 車載化におけるEMC性能の確保
    1. 自動車内の搭載場所に関わる環境への配慮
      • 高周波システム間でのクロストークの対策事例と考察
      • 低周波の電磁誘導による妨害対策事例と考察
    2. コモンモード雑音電流を発生するシステム構成とその対策
      • コモンモード雑音電流によるEMIとEMSの対策事例と考察
      • コモンモード雑音電流に対するデカップリング
      • ハイブリッド車のシステム構成例とそのコモンモード雑音経路の考察
    3. 配線材の検討
      • 対雑音性を考慮した配線材とその原理
      • シールド線の端部処理と外部導体接地によるエミッションへの影響と対策
      • ワイヤハーネスの配索
  5. EMC性能を確保するための設計手順とDR

会場

滋慶医療科学大学院大学
532-0003 大阪府 大阪市 淀川区宮原1-2-8
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