第1部 ポリイミドの熱・電気特性とその制御
(2017年8月24日 10:00〜12:00)
耐熱・電気絶縁性に優れるポリイミドは、エレクトロニクス分野の発展により、耐熱・絶縁性以外にも、低線膨張性、可溶性、低誘電性や無色透明性などの機能が要求されるようになり、化学構造を変えることや、他の物質との複合化、成型法を改良するなどして高機能化が行われています。
本講演では、まず、ポリイミドの合成と実用化されているポリイミドを紹介します。次に、ポリイミドの熱的挙動や誘電的性質などを中心に説明します。この他,シリカとの複合化してポリイミドの絶縁性の耐久性を向上した研究についても説明します。
- ポリイミドの合成法と代表的なポリイミド
- Kapton タイプポリイミド
- ポリイミドの合成法 (二段階合成法,一段階合成法)
- その他のポリイミド (Upilex S, Upilex R等)
- ポリイミドが用いられている電子部品 (フレキシブル基盤等) とその作製・使用に要求される性質
- ポリイミドの熱的挙動
- ガラス転移温度、融点、動的粘弾性特性
- 熱可塑性ポリイミド、非熱可塑性ポリイミド、熱硬化性ポリイミド
- ポリイミドの構造とガラス転移温度の関係
- ポリイミドの構造と熱安定性の関係
- ポリイミドの誘電特性
- 誘電的挙動
- 誘電率の測定法
- ポリイミドの誘電率に起因する要因
- ナノ空孔体を用いる低比誘電率化
- ゾル – ゲル法によるポリイミド – シリカ複合体の作製とエナメル線の絶縁層への応用
第2部 無色透明ポリイミドの材料設計とその特性、応用
(2017年8月24日 12:45〜15:15)
耐熱性に優れ、しかも溶媒に溶けて、塗工・乾燥するだけで寸法安定性の高い無着色透明絶縁フィルムを得るための分子設計上抑えておくべきポイント、製造する際の留意点および求められる用途について詳細に解説します。
本セミナーには透明耐熱樹脂開発従事者が直面する課題解決のためのヒントが転がっています。
- 透明耐熱性樹脂とは (基礎編)
- 透明耐熱性樹脂の必要性
- 透明ポリイミド樹脂の着色・脱色の原理
- 透明ポリイミド樹脂の重合および製膜上の問題点
- 透明ポリベンゾオキサゾールの製造法と問題点および着色・脱色の原理
- 特性評価法
- ガラス代替材料への適用を目的とした透明耐熱樹脂の開発事例 (応用編)
- 各社開発の透明ポリイミドの例
- 脂環式透明ポリイミド:重合反応性、溶解性および低熱膨張性に対する立体構造の影響
- 超低熱膨張性透明ポリイミド
- 脂肪族モノマーを使用せずに低熱膨張性ポリイミドの透明化を実現するための方策
- 複屈折の制御
第3部 感光性ポリイミドの設計と応用事例
(2017年8月24日 15:30〜17:00)
- ポリイミドの基礎
- ポリイミドの重合
- ポリイミドの構造と物性
- 感光性ポリイミド開発の歴史
- ネガ型感光性ポリイミド
- エステル型
- イオン型
- その他
- ポジ型感光性ポリイミド
- ナフトキノンジアジド添加型
- ポジ型PBO
- 反転型
- 化学増幅型
- その他
- 低温硬化型感光性ポリイミド
- 硬化促進剤添加
- 既閉環型
- 今後の感光性ポリイミド