プラスチック・ゴム製品のための感性価値の具現化技術

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高分子製品開発の中心軸は長い間、その強度・耐熱性・経済性の向上に置かれていました。それら製品の用途展開が一段落した現在、新たな方向性として ”使う人の心を満たす製品とそれを具現化する技術 ”に関心が集まりつつあります。背景に医療工学の進歩や人々の価値観の変化が挙げられます。しかし、技術者の立場に立つと「具体的に何をどのように行い製品を開発すれば良いのか」が茫洋としているため、着手すること自体が難しい課題となっています。  本講座では高分子製品に感性価値を付与するために欠かせない、化学・物理学・光学・生理学の基礎的な解説から始めます。また「人の心に寄り添う」という抽象的概念を、現実の高分子製品開発の職能に投影させることで、成すべき技術課題の具体化に道筋の付 け方を説明します。技術的困難性は高くないものの着想と美意識が求められる本課題を、 技術者に寄り添いながら多面的にお話させていただくつもりです。

  1. 概論 感性訴求型という新しい高分子製品の開発と価値観
    1. 飽和市場である高分子製品領域において感性製品が注目される背景
    2. 工業品と趣向品の境界 … 100円ショップの墨と10万円工房墨
    3. 移り気な美意識との対話 … 木目を尊ぶ日本人・塗りつぶす欧米人
  2. 【学ぶ】 五感に影響を与える要素の把握
    1. 「塗装面」と「印刷面」における可視光認識の真逆
    2. 本物志向の手本である「天然素材」の表面構造
    3. 理解してから取り組みたい「電磁波」「音波」の物理学
    4. 最新分析機器では歯が立たない「嗅覚」「聴覚再現」という未踏領域
  3. 【見る】 視認性を制御する技術
    1. ヒトの色相認知メカニズムと顔料発色機構の理解
    2. シルクと真珠の光沢から学ぶ ”美しい” という感覚
    3. 安っぽさの元凶 マイグレーション性材料制御の基本
    4. 新顔登場「構造色顔料」の可視光制御システムと応用
  4. 【触れる】 触感への関与因子と制御技術
    1. 熱伝導率が及ぼす影響力と制御技術
    2. 比弾性率と手触り感との相関性
    3. 帯電性と親水性が及ぼす触感への影響
    4. ”赤ちゃんの肌” の再現から考えるポリマー選択眼
  5. 【考える】 開発技術者に求められる総合力
    1. エセ商品を世に出さないための論点 ~「備長炭配合製品」を教材とした科学的検証
    2. 似せても”まがいもの”の評価が待つプラスチック製品に対する感性価値
    3. 技術者の挑戦課題で終わらせないマーケテイング戦略

会場

品川区立総合区民会館 きゅりあん
140-0011 東京都 品川区 東大井5丁目18-1
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