本セミナーでは、難燃性/高電圧電解質技術と、電解液の応答・寿命解析を解説いたします。
(2013年5月23日 13:00〜14:40)
鶴岡工業高等専門学校 物質工学科 教授 佐藤 貴哉 氏
リチウムイオン電池 (LIB) の発火が問題となっている。LIBの安全性向上のため、新規なアプローチによる難燃型ポリマー電解質を開発した。難燃性のイオン液体モノマーに表面開始リビングラジカル重合を適用し、イオン液体ポリマーブラシ/シリカ複合微粒子 (SiP) を合成した。SiPと少量のイオン液体を複合することで、リチウムイオンが高速移動できるイオン伝導ネットワークチャネルを持つ新しい難燃型固体電解質が開発できたので、本講座で紹介する。 現在、電解質のイオン伝導性、難燃性、固体膜特性を利用した高電圧電気化学デバイスが設計可能と考え、試作評価を行っている。その現状も併せて紹介し、実用化へ展望を述べる。
(2013年5月23日 14:50〜16:30)
山形大学 大学院理工学研究科 物質化学工学専攻 教授 仁科 辰夫 氏
リチウムイオン二次電池の性能は活物質で決まるかのように世間では考えられているようですが、はたしてそうでしょうか?劣化電池を解体分析して、活物質そのものの結晶学的な構造解析をしている例が世間では多いようですが、本当にそうなのでしょうか?電解液の応答を見ることで、電池の特性を理解できるのではないか?そもそも、なんで電池の充電には1時間も必要なのでしょうか? そんな疑問をまじめに考えたら、電解液の特性ってやっぱり重要ですよね。そんなお話をします。