産学連携を用いた医薬品開発の取り組みとプロジェクトマネジメント

再開催を依頼する / 関連するセミナー・出版物を探す
会場 開催

日時

開催予定

プログラム

第1部. オープンイノベーション (産学連携) のための社内組織、風土、意識の改革

(2017年8月2日 10:00〜11:30)

 オープンイノベーションは、明確な市場が見えない時代において、イノベーションを引き起こし、企業の成長に新たな戦略と価値を導くための機会の幅を広げるという有効な手段のひとつである。しかし、産学連携を含めて、オープンイノベーションで成果が得られているケースは限られているのではないか? そのひとつの要因として、オープンイノベーションを進めようとすると、これまで培ってきた経営方針や組織体制等を含めた企業風土、企業体質の抵抗にあうことも少なくない。逆に、オープンイノベーションは、従来の研究開発のやり方や研究開発マネジメント体制の変革、ひいては経営の意識改革へのチャレンジとも言えよう。  本講演では、オープンイノベーションの企業内への定着を目指した、いくつかの取り組み例を示すとともに、産学連携の在り方についても言及したい。

  1. 自前主義によるイノベーション創出の限界
  2. 従来のオープンイノベーションとその課題
  3. 新たなオープンイノベーション
  4. 研究開発及び研究開発マネジメント改革
  5. オープンイノベーション定着に向けた取り組み
  6. 産学連携によるオープンイノベーション創出
  7. イノベーションのジレンマ、オープンイノベーションのジレンマ

第2部. 産学連携における知的財産マネジメント

(2017年8月2日 11:45〜13:15)

 大学が産官学連携を本格的に行うようになって10年以上が経過し、その取り組みも多様化している。  本講演では、まず産官学連携活動の現状、スキームについて紹介する。更に、産学連携のポイントである知的財産マネジメントについて、契約交渉前?研究終了までの各ステップごとに解説する。

  1. 産学連携の概要
    1. 産学連携の活動の現状
    2. 産学連携のスキーム
  2. 契約交渉時の留意点
    1. 守秘義務
    2. 産学連携のスキームと契約条件
    3. 知的財産の条件の検討
  3. 研究実施時
    1. 研究成果の管理
    2. 特許出願の進め方
    3. 公表に関する留意点
    4. 研究成果有体物に関する留意点
  4. 研究終了後
    1. 研究成果の取扱い

第3部. 産学連携の取り組みと進め方

~医療系アカデミアの視点から~

(2017年8月2日 14:00〜15:30)

 近年、様々な疾患領域において抗体医薬品が次々に上市されるようになっている。  本講座ではまず、幾つかの抗体医薬品について臨床試験における有効性・安全性と治療ガイドラインでの位置付けを振り返りその後、抗PCSK9抗体の投与対象患者について考えてみたい。また全体を通して、医薬品リスク管理計画書 (RMP) の安全性検討事項より起こりうる有害事象を確認し、安全性についても検討したい。

  1. 多様化する医療系産学連携
    1. 医療系産学連携の近年の動向
    2. 医療系アカデミアへの期待
    3. 医療系の産学連携スキーム
    4. 産学連携契約
    5. 産学連携における知的財産の考え方
  2. 本格的な産学連携の実現とアカデミアの取り組み
    • 「産学官連携による共同研究強化のためのガイドライン」の成立背景と概要
  3. 医療系アカデミアと非医療業界との連携
    1. 医療系アカデミアと非医療業界との連携のはじめ方
    2. プロジェクトの作り方~プロジェクトマネジメント
    3. 相互教育の必要性 (産業教育、医療教育)
  4. 産学連携リスクマネジメント
    1. 産学連携リスクマネジメントの要請
    2. 利益相反マネジメント
    3. 成果発表と知財
    4. 学生の産学連携への参加
  5. 医療イノベーション創出の推進に向けた取り組み 医療系産学連携ネットワーク協議会 (medU – net) の紹介

第4部. 成功事例から学ぶ産学連携の取り組みの実際

(2017年8月2日 15:45〜17:15)

 中外製薬と大阪大学との産学連携で開発に成功したアクテムラでの体験に基づいて、産学連携による共同研究開発の取り組み方とマネジメントをどのようにすればよいか、などについて議論し、プロジェクトを成功に導くための留意点について考察を加える。

  1. 何故、産学連携が必要なのか?
  2. 革新的新薬の事例研究。
  3. なぜ、産学連携が広がらなかったか?
    企業側が、必要ないと考えていた。日本の製薬の歴史。
  4. どうすれば始められるのか?
    製薬企業の取り組みの例。
  5. 理想形は産学が相互融合すること。
    • アクテムラの事例
      • ①産側で自己免疫疾患発症のメカニズム解明をモデルマウスで研究していた。
      • ②B細胞活性化現象が自己免疫発症の原因であることを究明。
      • ③一方、学側が、B細胞が抗体産生細胞に分化する分子メカニズムの解明に取り組んでいた。
      • ④B細胞分化誘導因子IL – 6を精製し、遺伝子を単離IL – 6が自己免疫の原因因子であることを突き止めた。
  6. 何故、失敗するのか?
    失敗例の紹介。
  7. 成功のコツは?
  8. 何故、取り組みやマネジメントが難しいのか?
    産学連携のマネジメントの方法;
    1. 共同研究契約の締結
    2. 定期的な合同ミーティングで役割分担を明確に
    3. 餅は餅屋

会場

株式会社 技術情報協会
141-0031 東京都 品川区 西五反田2-29-5
株式会社 技術情報協会の地図

受講料

複数名同時受講割引について