第1部 巨大負熱膨張粉体を用いたゼロ熱膨張コンポジット
(2017年8月8日 10:30〜12:10)
現在樹脂の熱膨張抑制には、熱膨張係数の小さなSiO2 (シリカ) がフィラーとして用いられています。しかしながら、温めると縮む、負の熱膨張材料を用いれば、ホスト材の熱膨張をゼロやマイナスの値に自在に調整可能です。
本セミナーでは、種々の負熱膨張材料、特に私共が開発したビスマスニッケル酸化物と、それらを用いたゼロ熱膨張コンポジットの研究、そして、新しく発見されたルテニウム酸化物を紹介します。
- 負の熱膨張率を持つ材料と熱膨張測率の測定方法
- 種々の材料の熱膨張率とその測定方法
- βユークリプタイトと結晶化ガラス
- タングステン酸ジルコニウム
- マンガン窒化物逆ペロブスカイト
- 巨大負熱膨張物質ビスマスニッケル酸化物
- ペロブスカイト酸化物ABO3
- Bイオンの価数と格子定数の関係
- ビスマスニッケル酸化物の圧力誘起電荷移動
- 元素置換による負熱膨張材料化
- ゼロ熱膨張コンポジットの作成
- 新しい負熱膨張材料ルテニウム酸化物と、ゼロ熱膨張コンポジット
第2部 リン酸ジルコニウムフィラーによる熱膨張の抑制技術
(2017年8月8日 13:00〜14:40)
熱膨張についての一般的知識に加え、熱膨張を制御するためのフィラーについて説明します。
フィラーの負熱膨張特性のメカニズムや、応用例など実際の製品開発を通じて得られたデータも紹介します。
- 背景~負熱膨張性フィラーの必要性~
- 接着と熱膨張
- 負熱膨張性フィラーの求められる分野
- 様々な低熱膨張性材料とそのメカニズム
- インバー合金
- 磁気体積効果による負熱膨張材料
- 結晶化ガラス
- ガラスの組成と熱膨張
- 無機酸化物
- 封着ガラスの熱膨張制御
- 封着ガラスの特性、用途
- 電子材料分野と重金属フリー化
- 負熱膨張性フィラーの要求特性
- 負熱膨張性フィラーの設計と応用
- リン酸ジルコニウム化合物の負熱膨張特性
- 結晶の組成と熱膨張特性
- 粒径制御合成
- ガラスへの添加と熱膨張抑制効果、物性変化
- 樹脂への添加と熱膨張抑制効果、物性変化
- 製造方法の違いと特性の変化
第3部 熱伝導性、熱膨張・収縮の測定と評価技術
(2017年8月8日 14:50〜16:30)
機能性材料の“熱”対策の重要性が高まっており、製品の長寿命化、ならびに信頼性の向上を実現するためには、熱により変化する材料物性を多角的、かつ高精度に評価・計測する技術が必要となっている。
本講演では、材料の熱物性 (熱伝導率、熱膨張、熱応力) の評価技術について紹介する。
- はじめに
- 熱物性評価技術
- 熱伝導率
- 熱伝導率の評価方法
- 熱伝導率測定の事例
- 熱膨張および熱応力
- 熱膨張率測定
- 熱応力測定
- TMAの事例
- 熱物性の複合化
- おわりに