(2017年7月28日 10:30〜12:00)
近年、生活習慣に由来する非アルコール性脂肪性肝炎 (NASH) の増加が注目されており、これまで疾患の機序解明や治療薬開発のための多くの評価系が報告されている。本講では、我々が報告したNASH動物モデルも含め種々の動物モデルについて解説する。
(2017年7月28日 13:00〜14:30)
昨今、肝硬変・肝癌にも進行し得る非アルコール性脂肪肝炎 (non – alcoholic steatohepatitis:NASH) が知られるようになり、従来の「脂肪肝」を取り巻く状況は大きく変化した。NASHに対する薬物療法はいまだに確立されていないため、基礎・臨床の両面で治療法が検討されている。インスリン抵抗性および2型糖尿病はNASHの最も重要なリスク因子であり、糖脂質代謝の変化が病態に深く関与していることが明らかにされている。糖尿病治療薬を用いたNASHの治療に関しては、現時点ではインスリン抵抗性改善薬が最も多いエビデンスが得られており、「診療ガイドライン」でも糖尿病を合併したNASH治療に投与が提案されている。しかし、長期投与による影響が大きな課題として残っており、治療法の決定打となり得ていない。 本講座ではNASHの現在の診断、治療を解説し、今後求められる新薬像について模索したい。