第1部. 製造プロセスからアプローチする薬剤の溶出制御
(2017年7月25日 10:30〜12:00)
溶出試験は医薬品の有効性を担保する上で重要な項目であり、結晶の安定性を判断する為に必要なデータでもある。
結晶形、粒子径の制御は原薬製造の最終工程における重要工程であり、この工程を如何に制御できるかが開発の根幹となる。結晶多形を含む問題点の解決策を述べる。
- 晶析検討の目的
- 晶析の基礎
- 結晶質
- 非晶質
- 晶析操作線
- 結晶化の問題点
- 化合物取り扱い上重要な課題
- 濾過性
- 乾燥条件
- 品質保証
- 操作性
- 物理的に重要な課題
- 安定性
- 溶解性
- Bioavailability
- 製剤上の問題点
- GMP上対応可能な操作法
- 結晶化の検討
- 結晶化の条件
- 溶媒の種類 クラスI,II,III
- 溶解性の確認
- 溶媒の選択と留意点
- 温度条件
- 他の要素
- 塩または結晶形選定に重要な項目
- 結晶形の確認
- 結晶多形
- 結晶多形の要因
- Polymorphismの確認
- 疑似結晶多形
- 結晶多形の例
- 結晶多形に関する留意点
- 結晶化時のトラブル対策と事例
- 製造プロセスからのアプローチによる結晶制御
スケールアップ時のトラブル対策
- まとめ
第2部. 溶出性を向上させる製剤技術
(2017年7月25日 13:00〜14:30)
徐放性製剤は放出速度をコントロールした製剤で、服薬回数を減らせたり、副作用の低減が期待できることなど、患者への利点が多い。加えて、製薬会社のLCM戦略にも合致することから、今も注目されている。徐放性製剤の設計には、高含量化やヒトの消化管内の生理的要因の影響も含めた溶出性の制御が課題となる。
本講では、放出制御技術や徐放性微粒子を含む口腔内崩壊技術の基礎的な知見から、溶出性を向上させる製剤技術について概説する。
- 経口放出制御製剤の種類と特徴
- ビーグル犬及びヒトの生理的要因
- 経口放出制御製剤の消化管内移動
- 薬物の消化管内吸収特性と吸収量
- 放出制御機構とバイオアベイラビリティ
- 製剤設計とバイオアベイラビリティの評価法
- 溶出速度
- ヒト試験
- 放出制御製剤の設計
- 高含量化の検討
- 薬物特性とバイオアベイラビリティ
- 製剤特性とバイオアベイラビリティ
- 思い込みからきた失敗例
第3部. 医薬品申請時における規格・安定性試験の記載の仕方 ~溶出試験を中心に~
(2017年7月25日 14:50〜16:20)
承認申請書の記載内容に関して、「規格及び試験方法」は製造方法とともに、とても大事な部分である。
本講演では、医薬品承認申請時に、原薬及び製剤の規格及び試験方法の記載において、溶出試験など重要な品質試験項目を例として、その記載方法及び注意事項を説明する。
- 医薬品の重要な品質特性
- 規格試験と重要品質特性との関係
- 規格試験と製造方法との関連性
- 原薬の規格設定
- 製剤の規格設定
- 承認申請書に規格及び試験方法の記載
- 確認試験の記載
- 純度試験の記載
- 定量法の記載
- 溶出試験の例
- 溶出試験と生物学的な同等性
- 溶出試験の条件設定
- 溶出試験の規格値の設定
- 溶出試験記載の例