第1部 超親水、超撥水など濡れ性制御技術の基礎と防曇機能への応用
(2017年7月27日 10:00~11:30)
濡れ性制御技術は、エレクトロニクス機器・屋内外建材・輸送機器・スポーツ用品等、身近な生活から生産現場の至る所で広く利用されています。その中で、今回は「防曇性」という視点から、「濡れ性制御技術」を取り扱ってまいります。
この講座では、「防曇性」の機能を思考する際に必須の「表面濡れ性」に関する基礎的な理解とともに、開発現場での「防曇性を有する固体表面の材料設計指針」を思考される際の論点整理に繋がると思います。
- 表面濡れ性に関する基礎
- 撥水性と親水性の定義
- 接触角に関する基礎方程式 Young’s model・Wenzel’s model・Cassie’s model
- 基礎方程式からみた、超撥水性表面と超親水性表面の理解
- 防曇性を目指す材料設計指針のための結露の理解 (水滴の除去・濡れ広がり)
- 水滴の除去性と濡れ広がりの理解
- 撥水性表面上での結露
- 親水性表面上での結露
- ⇒では、結露の抑制には、撥水性と親水性はどちらが有利なのか?
- 防曇性の発現に資する材料設計コンセプトと、その評価方法
- 防曇性からみた材料設計コンセプトの紹介 (超親水性表面や多孔質材料を中心に)
- エレクトロウェッティングを用いた水滴除去
第2部 防曇ハードコート・塗料による材料の透明性維持
(2017年7月27日 12:10〜13:10)
ガラスやポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチルなどからなる透明材料は“曇り現象”によって様々な不都合が生じています。
本講では曇りのメカニズムを詳述し、その評価技術、透明性維持のためのコーティング材料とその様々な応用例について解説します。
- 曇り発生のメカニズム
- 曇りが発生するメカニズム
- 曇りの実例
- 防曇技術について
- 曇りを解決する方法
- 防曇性発現機構
- 防曇方法の特徴
- 評価方法について
- 防曇性の評価技術
- 密着性の評価技術
- 耐久性の評価技術
- 防曇剤・防曇ハードコートについて
- 防曇剤について
- 防曇ハードコートについて
第3部 プラスチック・ガラス表面の親水化技術と防汚・防曇性付与への応用
(2017年7月27日 13:20〜14:50)
1%以下の低濃度の高分子水溶液と接触させるだけで対象とするプラスチックやガラス表面にナノレベルの吸着層を形成し、簡単・迅速に表面を親水化させる技術について紹介する。
処理する基材の表面物性に合わせた親水化高分子の設計法、および防汚性や防曇性といった実使用を想定した表面の機能評価について述べる。
- 表面改質技術の分類と事例
- プラスチックやガラス表面が曇る現象について
- 表面を親水化させる表面改質技術 ~洗浄と同時に洗浄面を親水化~
- 高分子の吸着による表面改質
- 高分子設計のポイント ~両性両親媒性高分子~
- 表面改質高分子の合成
- FRP用表面改質高分子の合成と吸着表面性状
- 高分子の組成とFRPへの吸着量、および吸着表面性状
- 高分子吸着表面の防汚性能評価
- 防汚性能発現機構について
- ガラス用表面改質高分子の合成と吸着表面性状
- ガラス用表面改質高分子の合成
- 高分子吸着表面の防曇性能評価
- 防曇性能発現機構について
- 今後の展望 ~長寿命化に向けた超分子技術~
第4部 機能性微粒子塗布による超撥水・超撥油化処理技術と防曇表面への応用
(2017年7月27日 15:00〜16:30)
超撥水・超撥油化処理には、材料の表面に微細な粗さを作り出す物理的処理が必要なことはいうまでもない。
本講演では、この物理的処理に高度な微細加工技術を必要とせず、超撥水・超撥油化処理した表面の修復が容易で、 かつ超撥水・超撥油化の処理と同時に表面に新たな別の機能を付与することも可能な機能性微粒子の塗布による、簡便な超撥水・超撥油化処理技術について紹介する。
- 超臨界二酸化炭素中での高分子の自己組織化を利用した機能性微粒子の製造
- 超臨界二酸化炭素中で高分子が自己組織化するための要件
- 超臨界二酸化炭素中での高分子の自己組織化
- 直接的自己組織化
- 間接的自己組織化
- 二酸化炭素の圧力による自己組織化の制御
- 機能性微粒子の構造
- 機能性微粒子塗布による超撥水化処理
- 機能性微粒子の構造と超撥水性
- タンパク質の撥水化処理
- 撥水化処理した酵素の活性
- 分散重合で得られる機能性微粒子による超撥水・超撥油化処理
- ラジカル分散重合による機能性微粒子の製造
- 超撥水化処理
- 超撥油化処理