本セミナーでは、消費者の感性に響く製品デザインを実現するため、色彩・質感の認知メカニズム・定量化手法から、製品開発への応用手法までを詳解いたします。
(2017年8月7日 10:30〜12:00)
「質感」は色と同様に感性情報ですが、バリエーションが多く、定量化が困難であるため、色彩学においても無視されてきましたが、高級感やシズル感等の感性的価値が商品の差別化には重要なファクタであり、質感を制御・管理するための質感工学の確立が求められています。 今回、これまでは科学的アプローチが困難であった質感研究が、最近の画像処理・脳科学・光計測技術の発展に伴い、加速している現況と、最新の研究動向について具体例を示しながら紹介・説明します。
(2017年8月7日 13:00〜14:30)
建築仕上げには様々な手法があり、材料ごとにテクスチャーや質感を表現する呼称がある。 多くの材料と仕上げが組み合わされる建築空間において、内装・外装仕上げの質感がどのように評価され、光環境の影響によってどのような変化が生じるか、評価実験から得られた傾向を紹介する。実空間の質感演出への可能性を考える機会としていただければ幸いである。
~二次元色彩計による質感の定量化~
(2017年8月7日 14:45〜16:15)
人の目ではメタリックやパールのあるワーク等の乱反射を生じる対象に対して、質感の情報は明確に分離されて色彩が認識されるのに対し、従来の分光色度計では画像の色情報が混然と混合されて取得してしまうため、実際に人の目で見た情報と乖離した数値が測定されていることが問題となっている。現状は、人の目による官能的な判断に頼らざるを得ない状況が生まれているが、目視による官能検査では品質のバラつきが発生し、色彩品質が安定しないという課題が残されている。こうした問題点は、各種業界で多岐にわたって存在し、検査工程にかける費用対効果は低い。 2次元色彩計は、従来の分光方式での色を正確に捉える方式と比べて、対象物の色と質感を合わせて、評価する新しい評価法であり、本装置を用いることにより、従来の色測定方式に対して、一線を画した色管理の厳しい用途での応用についてその可能性について図などを用いて解説する。