第1講 医薬品に求められる品質
異物混入を原因とする医薬品の回収は、各社の様々な取り組みにも係わらずなくなることはない。本講座では、注射剤の外観検査の実態を把握し、製品品質の向上のために、医薬品の要求品質の明確化の考え方を解説する。
- 医薬品の特性
- 医薬品の社会的使命
- 医薬品の製造に関わる全ての人が目指すべきこと
- 医薬品に求められる品質
- 医薬品の多様性 (剤形)
- 注射剤の特殊性
- 異物の分類
- 外観不良はどこで発見されるのか
- 品質情報の集計
- 行政の実施する収去とは
- 日本品質
- 医薬品の回収事例から見る望ましくない不良
- 医薬品等の回収について
- 医薬品の回収事例
- 残念な自主回収
- GMP遵守による医薬品の品質確保
- GMPとは
- GMPソフトとハード
- GMPの三原則
第2講 外観目視検査に求められるもの
医薬品の要求品質に基づき、外観目視検査の手順を解説する。また、外観目視検査が単なる不良品の排除を目的とするだけでないことや、外観目視検査員に対する教育訓練 (認定制度) についても解説する。
- 要求品質の明確化
- 日本薬局方の異物基準
- 注射剤の異物の定義 (考え方) の推移
- USP<1790>注射剤の目視検査
- 外観目視検査手順
- 目視検査実施手順書
- 手順の重要性
- 検査環境 (照度他) と目休め
- 不良見本等の管理に関する行政 (PMDA) の指摘事例
- 目視検査員の教育訓練
- 教育訓練の必要性
- 教育訓練項目
- 認定制度 (認定とその更新)
- 目視検査員の特性把握
- 外観目視検査に関する質問事項と回答例
- 異物サイズに関するもの
- 検査基準に関するもの
- 教育訓練に関するもの
- 認定制度に関するもの
- 異物サンプルの作製に関するもの
- 資材由来の異物管理に関するもの
- 製造委受託における異物基準の設定に関するもの
第3講 外観目視検査結果の活用
外観検査により、異物混入品、不良品を排除することは、市場への流出を防止するという面からは、最後の砦である。しかし、外観検査により得られる不良情報は、原材料の良否、製造工程の適格性を反映するものである。そこで、外観目視検査の結果を、工程改善、コストダウンのために評価、解析する手順について解説する。
- 注射剤の製造工程
- 最終滅菌注射剤
- 無菌操作法による注射剤
- 注射剤の製造工程で発生する不具合
- 洗浄/滅菌工程
- 充填/密封工程
- 搬送工程/包装工程
- 容器完全性 (密封状態検査)
- 表示に関する不具合
- 流通過程で発生する不具合
- 医療現場で発生する不具合
- 外観目視検査結果の評価と解析
- 異物のトレンド分析
- 異物ライブラリの考え方
- 異物調査・改善の手順
- 検査方法の見直し
- 生体由来異物対策
- 異物発生源となる箇所
- 自動検査システム
- 注射剤用自動検査機の例
- 抜き取り検査 (AQL) による妥当性評価
- 抜き取り検査におけるサンプリング