高分子材料は工業用途、日常用途として幅広く用いられている。しかし新規材料を開発するときあるいは材料の物性改善を行う時には、開発方針を立てる必要があります。そのためには詳細な分子構造解析を行う必要があり、分析手法ばかりでなく高分子構造の知識を修得することが必要不可欠です。
本講座では高分子の分子構造ついての基礎知識と最新の分析手法による評価法について詳細に述べます。その結果、材料開発、物性改善に役立つヒントが得られることを期待しています。
- 高分子の結晶と高次構造
- 分子量分布
- 房状ミセル、ラメラ、球晶
- 相構造 (結晶、非晶、中間相)
- キャラクテリゼーション
- GPCによる分子量測定の原理と注意点
- 粘度法、光散乱法による分子量決定
- ポリオレフィンの立体規則性の定量
- 結晶化度
- 熱分析 (結晶化度、ガラス転位点、融点とラメラ長の関係)
- X線、密度法による結晶化度測定
- 固体高分解能NMR
- NMRの基礎
- 液体測定と固体測定の違い
- 高周波コイルと90度パルス
- マジックアングルスピニング法 (MAS法) による高分解能化
- 交差分極 (CP) による強度増幅
- 縦緩和時間 (T1) と横緩和時間 (T2)
- 結晶、非晶、中間相の評価
- X線による分析
- CuKα線
- シンクロトロン
- 円筒カメラ
- X線小角散乱 (SAXS) と長周期
- 中性子小角散乱 (SANS) との違い
- 赤外分光法による構造解析と定量法
- マイケルソンの回折計
- ランベルト・ベールの法則
- 対称性と因子群解析
- 吸光係数と定量 (架橋度の解析例など)