ロールtoロール連続生産の一つであるスリット加工は、製品仕上がりの最終工程である。ここでは、スリット工程で対応できない不具合、ロス、トラブルが多く発生する。この原因として、機械と担当作業者の技術力不足が挙げられる場合と、前工程の印刷・ラミネート原反製品の品質・仕上がり状態が悪いために発生する場合に大きく分けられる。前者は、機械の作業手順と設定条件を定めることにより改善されるが、後者は前工程の原反仕上がりの状態を改善しない限り、スリット加工で品質・生産性の良い製品を作り込むことは難しくなる。
この対策として、原因となる印刷・ラミネート製品原反の仕上がり状態をどのように作り上げるかを考え、その製品の例を示し、印刷・ラミネート・スリット加工をどのように進めるかを解説する。
- 印刷・ラミの製品状態とスリット製品の出来栄え
- 印刷・ラミの製品をどのように作り込めば、良いスリット製品が得られるか
- スリッター装置
- スリット仕様と概要図
- スリッターの主な基本構成
- 主なスリット製品のロス低減対策例
- 帯状部分印刷ラミネート製品のスリット加工のシワ・ロス低減
- 粘着剤コート軟包装材料のスリット加工でのロス低減の最適化とスピードアップ
- 厚物ラミネート製品のスリット加工でのロス低減
- 異物混入 (継ぎテープ) トラブル発生原因と対策
- スリット製品のトラブルの一例
(巻きズレ、硬巻き、耳上がり、幅不良、継ぎテープ、巻き芯シワ)
- 印刷加工での巻芯シワ・トラブルの一例と対策
- 巻取開始時の張力・テーパー (勾配) の設定
- 印刷原反の紙管肉厚差と巻き状態の違い
- 印刷原紙の弱巻原反のラミネート繰出しでの巻き締りシワの発生原因
(ノンソル、ドライ)
- フィルム印刷製品とスリット加工での最適化とロス低減
- OPPフィルムの印刷製品とスリット加工での最適化とロス低減
- LLDPE フィルムの印刷製品のスリット加工での最適化とロス低減
- CPPフィルムの印刷製品のスリット加工での最適化とロス低減
- ラミネート製品の巻き締りシワ・トラブル現象と対策
- 巻取りでの巻き芯シワの発生要因
- ラミネート原反の巻き芯のシワ発生 (紙管肉厚)
- タッチロールの押し付けバランス圧測定
- 製品の紙管への巻き込み
- 巻き芯シワの発生と対策 (巻取条件の最適設定とシワ発生の低減)
- 巻取部の巻取張力、テーパー張力、タッチロール圧
- 巻取部の巻取条件 (巻取条件項目 8要因:4パターンに分けて作り込む)
- 巻取部のスタート巻取張力、テーパー張力、タッチロール圧の最適設定条件
- 各工程での巻き締りシワ不良の発生と不良対策
- スリット加工での留意点
- 次工程での不具合と前工程での不具合を明確に分ける
- 不具合を「入れない、作らない、出さない」
- 不具合の発生を各工程にフィードバックする、どのようにして
- 機械から離れない、そのためには