第1部. 「医薬品ライフサイクルマネジメントの基礎と製剤設計戦略」
(2017年7月27日 10:30～12:00)
医薬品、特に医療用医薬品におけるLCM戦略は本当に存在し、かつ有効に機能したことがあるのか?この根本的なところから論を進め、あるべき、または実際的なLCM議論を展開する。
LCMの本来的議論を通し、製剤研究者、マーケティング、特にプロダクトマネジメントの重要性・あるべき役割を見直す機会としたい。
- そもそも「LCM戦略」という言葉は言語として成立しているか?
- そもそも「LCM戦略」とは何をすることなのか?
- 医療用医薬品でこのことは成立するのか?
- 製剤研究者は何を考えて製剤設計をするべきか
- 患者視点の製剤設計とは
- 医療現場で望まれる製剤設計の為に必要なこと
- LCM剤型展開
- 剤型変更のタイミング
- LCM理論の意味することはなにか?
- LCM理論は医療用医薬品ビジネスの役に立つのか?
- LCM理論は、誰のためのツールか?:マーケティング?営業?メディカル?
- LCM理論の実際的な考え方と使い方
- 上市前から、考えるべきことはなにか?
第2部. 「嚥下性に優れた経口ゼリーキット剤の開発のポイント」
(2017年7月27日 12:45～14:15)
薬剤が飲みにくいという理由で、嚥下困難者や高齢者、幼児には錠剤を粉末状にして出すことがある。本来、錠剤はもっとも安定した状態であるため、粉砕を行うと量が少なくなったり、変質したりと様々な問題が生じる。
そこで、当社は錠剤やカプセルをそのまま楽に服用可能となる、嚥下困難な方でも楽に服薬できる物性を有する服用支援ゼリーを開発した。このゼリーを用いた様々なバリエーションの製品のポイントを紹介する。
- はじめに
- 服薬から服楽へ
- モリモト医薬のご紹介
- 服薬支援ゼリーシリーズについて
- ゼリー品質について
- 薬剤が服用しにくい場合の対応策
- 嚥下機能の低下した高齢者に望まれる食品
- 嚥下食の学会分類
- ゼリーでの服用方法
- 各種試験結果
- 試飲アンケート結果
- 他ゼリー等との比較
- 服用支援ゼリーキットについて
- 概要
- 服用方法
- 特長
- 試飲アンケート結果
- ゼリーキット剤について
- 背景、目的
- 概要
- 服用方法
- 特長
- 設計
- 各種試験結果
- バリエーション (用時追加投入型ゼリーキット剤)
- 小児用ゼリーキット剤について
- 小児処方の問題点
- 問題の解決方法
- 概要
- 調剤方法
- 服用方法
- 特長
- 一包化ゼリーキットについて
- 一包化の必要性、メリット
- ゼリー付一包化包装の実用化
- 特長
- 服用方法
- その他の新技術
第3部. 「医薬品に付加価値を持たせる液剤、散剤、OD錠の製剤設計」
(2017年7月27日 14:30～16:00)
医薬品における味 (特に苦味) のマスキングは、かつては、主として散剤やシロップ剤などの服薬コンプライアンス向上を目的とした技術であり、限られた製品に適用されてきた。近年、口腔内崩壊錠技術の急速な進歩により、錠剤自体の基本的な性能はほぼ満足のいくものが得られるようになった。これに伴い、医薬品の苦味の問題は大きくクローズアップされるようになり、現在では、より服用しやすい製剤を目指して、各社が独自の工夫により味のマスキング技術を競い合うまでになった。
本講演では、種々の経口剤の剤形に適した苦味評価の考え方について解説するとともに、液剤や散剤、さらにはOD 錠に適用された幾つかの事例を紹介する。
- はじめに
- 薬物/製剤の苦味を測る
- 官能評価 (数値化) の基礎
- ヒトによる官能試験
- 閾値濃度による苦味強度の数値化と苦味マスキング効果の評価
- 苦味を和らげる
- 医薬品の苦味の抑制方法
- 嬌味剤による苦味マスキング
- 化学的要素による苦味マスキング
- 物理的要素による苦味マスキング
- 製剤化事例1～3
- 苦味マスキング技術の口腔内崩壊錠への適用
- おわりに