第1部. 潰瘍性大腸炎治療薬の医療経済評価
(2017年7月18日 10:30〜12:00)
2016年4月より費用対効果評価の試行的導入が始まりましたが、今後の新規医薬品の薬価交渉戦略においてはこうした動向を意識した考え方を取り入れる必要があると考えられます。
本講座では潰瘍性大腸炎治療薬の医療経済評価を実施する上でのポイントを、試行的導入に関する中医協におけるこれまでの議論や最新の費用対効果評価方法の紹介も織り交ぜながら、わかりやすく解説します。
- 費用対効果評価とは
- 費用対効果評価の基礎
- 試行的導入の概要
- 企業における対応のポイント
- 潰瘍性大腸炎治療薬の医療経済学的有用性
- 潰瘍性大腸炎治療薬における追加的有効性・安全性とは
- 潰瘍性大腸炎治療薬の臨床的有用性から導かれる医療経済学的有用性
- 分析事例の紹介
- 潰瘍性大腸炎治療薬の医療経済評価の進め方・ポイント
- システマティックレビュー
- メタアナリシス
- 医療費データの収集
- モデル構築
- 基本分析
- 感度分析
- 潰瘍性大腸炎治療薬に関する医療経済評価事例の紹介
第2部. 潰瘍性大腸炎におけるモデル動物の作製とその評価
(2017年7月18日 13:00〜14:30)
飼育環境や季節変動の影響を受けやすく、系の確立・維持が難しいことで知られています。
本講では、主に病態 惹起やその安定化、評価項目に関するノウハウを、具体的且つ詳細に解説いたします。
さらに、各モデルにおける既存薬や現在開発中の薬剤の効果を紹介しながら、モデル動物と臨床との関連性についても触れたいと思います。
- 潰瘍性大腸炎の概要
- 作製ノウハウ評価項目,そして各種薬剤の有効性
- 酢酸誘発大腸炎
- DSS誘発急性大腸炎 (予防・治療投与)
- DSS誘発慢性大腸炎 (予防・治療投与)
- TNBS誘発大腸炎 (感作型/非感作型)
- OXA誘発大腸炎 (感作型/非感作型)
- OXAエマルジョン誘発白血球大腸浸潤
- CD4+CD45RBhighT細胞移入腸炎 (予防・治療投与)
- 各種IBDモデル動物の臨床上の位置付け
- 潰瘍性大腸炎様モデル
- クローン病様モデル
- 新薬開発状況のアップデート
第3部. 潰瘍性大腸炎の新しい治療ゴールを目指した新規治療薬開発
(2017年7月18日 14:45〜16:30)
潰瘍性大腸炎は原因不明の難治性腸炎であり根治治療はありません。これまで、本疾患の治療ゴールは「症状の改善」でしたが、高頻度に再燃をきたすことが問題視されていました。そのため、最近では「粘膜治癒」を治療ゴールとすることが推奨されています。しかし、現行の治療薬は全て「抗炎症」を目的したものであり、「粘膜治癒」を主作用としたものはございません。
本講座では、潰瘍性大腸炎の新しい治療目標を解説し、さらにプロバイオティクス由来の「粘膜治癒促進物質」を用いたFirst-in-human試験についてご紹介いたします。
- 潰瘍性大腸炎の発症要因
- 免疫異常の関与
- 疾患感受性の遺伝子多型
- 腸内細菌の異常
- 潰瘍性大腸炎の粘膜再生過程
- 拡大内視鏡による粘膜再生過程の微細所見
- 粘膜治癒とは?
- 潰瘍性大腸炎治療における「粘膜治癒」の意義
- 粘膜治癒達成による再燃や手術率の改善効果
- 粘膜治癒判定の問題点
- プロバイオティクスの定義と治療効果
- プロバイオティクスとは?
- 潰瘍性大腸炎に対するプロバイオティクス治療の現状 (糞便移植も含め)
- プロバイオティクス由来の生理活性物質の解析
- プロバイオティクスが分泌する粘膜治癒促進物質、長鎖ポリリン酸の同定
- 長鎖ポリリン酸が持つ粘膜バリア機能増強作用、抗炎症作用
- プロバイオティクス由来長鎖ポリリン酸による新規治療薬の開発
- First-in-human試験の成果と臨床応用への展望