第1部 自動車における吸音・遮音技術の適用例
(2017年7月14日 10:00〜11:30)
遮音・吸音の基礎理論をわかりやすく紹介し、その事例として、エンジンで発生した音がエンジンルーム内で音響増幅、さらに一重壁パネル、内装材を透過し、車室内に侵入するメカニズムと対策について解説する。
さらに、車室内に侵入した音の拡散を吸音シート、吸音天井の開発により防止し、車内騒音低減に成功した事例を紹介する。
- 遮音・吸音基礎理論
- 制振、吸音・遮音の概要
- 遮音理論の基礎、吸音理論の基礎をわかりやすく紹介
- 自動車の車内騒音寄与度解析結果
- 音響増幅防止による車内音改善
- エンジンルーム内の音響増幅と車内音
- 共鳴型サイレンサーの開発事例
- 一重壁パネルの遮音性改善
- ステフネス、質量則 (マスロー) 、コインシデンスと透過損失
- エンジンカバーの遮音性改善事例
- 内装材の遮音性改善
- カーペット、フェルトなどの振動伝達比と車内音低減効果
- 共振型カーペット (遮音材) の開発事例
- 吸音対策
- 室定数と車内音低減効果、室定数測定方法
- 吸音シート、吸音天井の開発事例
第2部 ナノファイバー吸音材料の次世代自動車への展開
(2017年7月14日 12:10〜13:40)
近年、普及が進んでいるハイブリッド車、電気自動車などの次世代自動車は、これまでのエンジン車に比べ、低騒音化を実現しているものの、新たな問題も発生している。ナノファイバー吸音材料は、一般の吸音材料に比べ、薄く、軽くても低い周波数域の吸音を示す材料として注目されている。
本講演では、自動車騒音の変化とナノファイバー吸音材料の展望について報告する。
- 次世代自動車を取り巻く音の問題
- 吸音材料の種類と特徴
- 多孔質型吸音材料
- 共鳴器型吸音材料
- 板・膜振動型吸音材料
- シリカナノファイバーの吸音特性
- エレクトロスピニング法
- シリカナノファイバーの構造
- シリカナノファイバーの吸音率
- 波動理論に基づく音響解析
- 多孔質吸音材料の吸音モデル
- 高分子ナノファイバーの吸音特性
第3部 ノイズキャンセリング機能を有する防音材料の開発
(2017年7月14日 13:50〜15:20)
一般的な自動車用防音材料の音響性能を紹介し、目標とすべき音響透過損失と吸音率を解説する。
このことを踏まえ、必要な遮音性能を確保しつつ、実車において軽量化、及び車室内騒音の低減を実現できた防音構造を紹介する。
更に、この防音構造について伝達マトリクス法により理論的な考察を加え、その音響的メカニズムを解説する。
- 自動車用防音材料に必要な音響性能
- 音響透過損失
- 吸音率
- 新防音構造
- ノイズキャンセリング機能を有する防音構造
- 遮音性能の確認
- 実車による性能確認
- 伝達マトリクス法による理論的考察
- 周波数応答
- 体積速度
第4部 空力・構造振動・音響連成解析による自動車社室内騒音の予測
(2017年7月14日 15:30〜17:00)
空力騒音の発生機構について学び、自動車の騒音問題に対する素養を深める。実験方法と数値解析手法について具体的に説明し、車両開発に活かせるようにする。
車内騒音解析の最新事例、京を用いた解析事例を紹介する。
- 空力騒音の基礎
- Lighthillの理論 (音の発生メカニズム)
- 空力騒音の速度依存性 (6乗則と8乗則)
- 空力音の指向特性
- Lighthillの功績 (ジェットエンジン騒音の低減)
- 空力騒音の予測手法
- Curleの理論 (圧力変動をもとにした解析)
- 渦音の理論 (渦の非定常運動に基づく解析)
- 実験解析技術の実例
- 空力音響連成解析手法
- 解析事例 (数値解析技術の紹介)
- 基礎形状からの音
- ドアミラー騒音 (空力・音響フィードバック音)
- フロントグリル騒音 (音響共鳴音)
- 車内騒音予測
- ファン騒音