第1部 『樹脂/金属・FRP・CFRP・ガラス・セラミックス・ゴムにおける異種材料接着・接合技術』
(2017年8月23日 10:30〜13:45)
最近の自動車、スマートフォン、OA機器等の軽量化、低価格化の要求にともなって、材料の有効利用のためマルチマテリアル化が必要になり、従来の接着剤を用いる接合法だけではなく、射出成形、レーザー照射、摩擦加熱、誘導加熱、超音波加熱などによる樹脂の溶着法ならびに分子接着剤による接合法が開発され実用化されている。
本講では、先ず接着接合法の原理、各種接着剤の特徴と選定法、および表面処理法の選定法を解説するとともに、最近の各種異種材料接合法を概説し、その接合の原理が従来の接着法の原理と変わらないことおよび各接合法が被接合材の特徴に適合し、接合部の強度・信頼性および耐久性の向上に非常に寄与していることを解説する。
- 接着力発現の原理 (最新の異種材料接合法にも共通の原理)
- 化学的接着説
- 機械的接合説 (アンカー効果)
- からみ合いおよび分子拡散説
- 接着仕事から計算される理想接着強度と実際の接着強度の相違の理由
- 各被着材に適した接着剤の選定法
- Zismanの臨界表面張力
- 溶解度パラメーターによる接着剤選定法
- 接着剤の種類、特徴および最適接着剤の選定法
- 各接着剤の種類と特徴
- 接着剤の耐薬品性および耐候性について
- 各種接着剤のせん断およびはく離接着強度特性
- 各種被着材に適した接着剤の選び方 (選定のための接着剤性能表)
- 被着材に対する表面処理法の選定法
- 各種表面処理法およびその特徴
- 金属の表面処理法
- プラスチックの表面処理法
- ガラスおよびセラミックスの接着法
- ゴムの接着法
- 最新の異種材料接合法
- 金属の湿式表面処理 – 接着・加硫法
- 金属の湿式表面処理 – 樹脂射出一体成形法
- 無処理金属の樹脂射出一体成型法
- 被接合材表面のレーザー処理 – 樹脂射出一体成形法
- レーザー接合法
- 摩擦接合法
- 溶着法 (電気抵抗加熱、高周波誘導加熱、超音波加熱、熱板加熱)
- 分子接着剤利用法
- 接着剤を用いない高分子材料の直接化学結合法
- エッチングまたはレーザー処理後の射出成形法ならびに融着法における接着力発現の原理
- エッチングまたはレーザー処理後の射出成形により接着・接合力が向上する原理
- 耐久性が向上するメカニズム
- 樹脂どうしの融着による接合の場合の接着強度発現の原理
- 一方の樹脂のみが溶融する場合
- 両方の樹脂が溶融する場合
第2部 『異種材料接合体における接合体の強度評価および特異応力場の解析』
(2017年8月23日 13:55〜16:35)
特性の異なる材料を接合して作成される異材接着接合体は、界面端に発生する特異応力場により、その強度が低下する。
本講座では、まず接合界面に生じる厳しさの程度を表す、応力やひずみの考え方を、基礎から応用まで具体例を挙げて分かり易く説明する。次に、強度評価に必要な特異応力場の考え方と特異応力場の強さを求める手法を説明する。最後に、接合体の強度評価および特異応力場の解析に関する最新の研究成果を紹介する。
- 異材接合界面に生じる応力とひずみの考え方
- 界面に生じる応力とひずみとはどのようなものだろう?
- 材料の組み合わせが異なると、応力とひずみはいかに変わるか?
- 接合界面の形状が異なると、応力とひずみはいかに変わるか?
- 接合界面の状況を理解するため、応力とひずみの基礎知識とは何か?
- 応力とひずみの基本的な考え方
- 応力とひずみとは何か?どのような種類があるのか?
- 形状の不連続により生じる応力集中の考え方
- 材料の不連続により界面に生じる応力集中の考え方
- 異材接合界面に生じる特異応力場の応力解析法とその強度評価
- 異材接合界面に生じる特異応力場とはどのようなものか?
- その特異応力場はどのようにすれば解析できるのであろうか?
- 材料が異なると特異応力場の強さはどのように変わるのか?
- 解析結果を基にして接合板の強度をどのように評価できるのか?
- 重ね合わせ継手に生じる特異応力場はどのようなものか?
- 解析結果を基に重ね合わせ継手の強度をどのように評価できるのか?