我々が日常エネルギーと称しているものには様々な形態があり、コージェネレーションシステムを例にとれば熱・電気・化学の3つが関与しています。経済産業省の技術戦略マップでも、「時空を超えたエネルギー利用技術」として、これら熱・電気・化学エネルギーの3形態間の相互変換による質の向上や最適運用に係わる技術が挙げられています。エネルギー3形態を議論する場合、「量: (エンタルピーの概念) 」と「質: (エクセルギーの概念) 」の2つの指標が重要です。特に劣化した熱のエクセルギーは未利用のまま廃熱として膨大な量が捨てられており、減らすだけではなく電気や化学反応と組み合わせて増進・再生を図る技術オプションも考えていく必要があります。 成熟・高度化した優れた省エネ技術をもつ日本は、この分野において理論と実践的な事例の双方において国際的にリードしており、その概念の根幹について図式的に理解を深めていただきます。 本講座は基礎編として、3形態いずれにも適用できる計算方法について具体的な演習を交えながら解説し、2日目の実践的利用編につなげていきます。
わが国では、これまで多くの識者がエクセルギーの重要性を訴えてきたにも拘わらず、企業の現場で有効に活用される事例は、ほとんど存在しなかった。 開発や生産の現場でエクセルギーを活用するための要素技術をコンパクトに体系化した、本講座の「エクセルギー解析法」は、導入企業において著しい効果が認められている。