各種高分子製品の長もち化を科学的に追及することは、資源問題、環境問題、さらに製品の信頼性の観点から非常に重要です。これに対しては、高分子原料の構造設計の段階から高性能化を図り、耐久性を向上させることが重要であり、特にパイプなどの社会インフラ設備に使用されるプラスチックでどのように高性能化のための分子構造設計がなされているかについて、結晶構造、非晶構造 (タイ分子) の観点から解説します。 一方、高分子製品の劣化度や寿命を適切に、しかもなるべく短時間で判定することが求められています。現在、活用されている劣化度判定法について概説するとともに、極初期の酸化劣化を高感度で捉えられるとして注目を浴びているケミルミネッセンス法の基本と解析法について解説し、各種高分子の熱酸化劣化、光劣化、機械的劣化、電気劣化などへの応用例を示します。