本セミナーは、 ALD , CVD の基礎から解説し、CVD/ALDプロセスの開発・解析能力を養うことを目標とします。
Atomic Layer Deposition (ALD、原子層堆積法) による薄膜合成は、ナノメートルレベルでの膜厚制御性、膜厚均一性などからULSI MOSトランジスタ用高誘電率ゲート酸化膜、および、メモリキャパシタ用高誘電率絶縁膜形成などに応用展開されているほか、近年では有機ELなどのガスバリヤコーティング、繊維表面への撥水加工など、幅広い応用展開の見込める技術です。また、ALDと同じようにガスを交互供給することによりエッチングを行うALEt (Atomic Layer Etching) は、原子レベルでの平滑なエッチングが可能で、高い選択性も有することから、次世代デバイス作製に必須の技術と目されています。しかし、そのプロセスは原料供給、パージ、反応性ガス供給、パージなどからなり、各段階での条件設定は、これまでの類似手法であるChemical Vapor Deposition (CVD、気相薄膜形成法) と比較してかなり複雑であり、速度論の基礎的知識なしには容易に最適化を達成できません。 このため、本講座では、まずALDの基礎知識として、CVDの速度論から説明を行い、CVD/ALDプロセスの開発・解析能力を養うことを目標とします。また、ALDプロセスの理想と現実について、原理およびメカニズムから詳しく解説を行い、新たにALD/ALEtプロセス開発・製品応用に関わる方の一助となるよう配慮した講義を行います。