第1部 体動からみるドライバの疲労・漫然特性評価、個人差の考え方
(2017年7月5日 10:00~11:30)
運転席に圧力センサを仕込んでドライバの姿勢や体動を評価するというアプローチは、必ず計測ができること、見られているという嫌な感じを与えづらいこと、様々な用途に利用できる可能性があること、などのメリットがあると考えられ、少しずつ注目する人が増えつつあります。
本講座では、圧力センサを用いたドライバの体動分析研究の事例をいくつか紹介し、 具体的にどのようなことができそうか、どこまでのことができそうかをイメージできるように なることを狙います。
- ドライバの状態評価に体動を用いることの意義
- 自動車の運転中は、必ず運転席にドライバの体重がかかる
- 見られているという感覚を覚えにくい
- 様々な用途に利用可能である
- 体動の評価に用いるセンサ
- 体動を用いた研究例:疲労、眠気の検出
- 疲労や眠気と体動との関係の分析:運転行動に現れる予兆をつかめる可能性
- 疲労や眠気を検出する方法
- 体動を用いた研究例:運転姿勢の評価
- 長距離運転中に実際に起こるドライバ行動
- 不適切な運転姿勢の検出手法
- 体動を用いた研究例:危険への備えの評価
- 体動に関する個人差と個人内差
- 体格の影響
- 体動を伴う眠気と伴わない眠気
- 眠気による体動と眠気によらない体動
第2部 自動走行ストレス – 自動走行車の搭乗者の快適性向上 -
(2017年7月5日 11:40〜13:10)
自動走行車が実現されれば、安全性・効率性の向上が期待される反面、“搭乗者が運転から解放されることに起因するストレス要因“が新たに発生することが知られています。搭乗者の快適性を維持するストレスフリー自動走行環境を実現するには、走行時に搭乗者が感じるストレス要因を実時間予測し、それらの適切に解決する技術が必要となります。しかしこれまでは安全性・効率性が重視されており、十分な研究調査が実施されていませんでした。
本発表では、快適性の低減要因の予測技術、予測された要因を解決する自動走行車両の挙動設計技術および、マルチモーダル情報提示技術開発の取り組みを紹介します。
- 自動走行ストレス
- 自動走行化がもたらす新たな技術課題
- 自動走行レベル
- 生理指標に基づく快適性指標
- ストレス要因と解決法
- ストレス要因の推定手法
- ストレス要因推定の分類
- 車載カメラ映像からのストレス要因推定手法
- ストレス要因の解決手法
- 情報提示によるストレス軽減手法
- 車両制御によるストレス軽減手法
- その他のストレス要因
第3部 多次元生理指標を用いた覚醒状態推定と低負担計測の可能性
(2017年7月5日 13:50〜15:20)
- 背景
- 自動運転とドライバ状態
- 覚醒水準と覚醒努力
- 覚醒状態の外的基準
- 方法
- データ収集
- 顔表情評定
- 瞬目解析
- その他の生理指標の解析
- 結果と考察
- データ取得状況
- 覚醒状態カテゴリ (顔表情評定) 結果
- 覚醒状態カテゴリによる各種指標値の違い
- 多次元生理指標を用いた顔表情評定値の推定
- 課題
- 今後の展望
- 低負担計測の可能性
- 自動運転への適用
第4部 顔画像センシングと時系列ディープラーニングによるドライバー状態モニタリング技術
(2017年7月5日 15:30〜17:00)
運転中のドライバの顔をセンシングすることにより、手動運転/自動運転含むさまざまなシーンで車の安全性・快適性向上に貢献する機能が実現できる。
本講座では、画像によるドライバモニタリングの基礎となる、顔画像センシング技術についての全般的な知識を得られるほか、ドライバのさまざまな動作・状態を高精度にとらえるための時系列ディープラーニングを活用した高精度なドライバ状態推定技術について最新の知見が得られる。
- 自動運転社会に求められるドライバー理解
- 顔画像センシングの概要
- 顔検出
- 顔向き、視線、眼開閉状態検出
- その他の顔画像センシング技術
- ドライバー理解に求められる顔画像センシング
- 時系列ディープラーニングを活用したドライバー状態モニタリング
- 運転集中度センシングの概要
- CNN
- RNN
- おわりに