第1部 レオロジー特性を利用したポリマーアロイの高性能化・機能性付与
(2017年7月6日 10:00〜11:20)
材料の高性能化、機能性の付与に必要となる構造の制御方法を中心に、ポリマーアロイ・ブレンドの基礎と応用について概説する。工業的応用を視野に入れた材料開発の観点から解説を行う。
- 平衡状態の相構造
- 相溶性の基礎
- ポリマーブレンドの相図
- 静電的な相互作用が存在しない系の相溶性
- ブレンド表面の構造と局在化
- 流動場における構造形成
- せん断誘起相分離と相混合
- 流動場を利用した構造制御
- ブレンド・コンポジットのレオロジー特性とその制御
- 動的粘弾性の解説
- ポリマーブレンド・コンポジットの溶融粘弾性
- 成形加工性を改良する方法
- ポリマーアロイ・ブレンドの新展開
- 相溶系ポリマーブレンドを利用した材料設計
- 非相溶系ポリマーブレンドを利用した材料設計
- 非相溶系ポリマーブレンドにおける第三成分の局在化と相間移動
第2部 ポリマーブレンド・高分子複合材料の 成形加工技術と高機能化
(2017年7月6日 11:30〜12:50)
本講座では、非相溶系ポリマーブレンドの力学特性に関する初歩理論から成形加工温度依存性や相溶化剤の役割について解説する。
- ポリマーブレンドの定義
- ポリマーブレンドの目的
- 相溶系と非相溶系
- 非相溶系ポリマーブレンドの相構造
- ポリマーブレンドの力学特性に関する初歩理論
- 複合則 (Reuse則,Voigt則,対数複合則)
- 粒子間距離 (Wuの式)
- 分散相の分布と弾性率の関係
- ポリマーブレンドの成形加工温度と強度および靭性の関係
- 成形加工時に生じる残留ひずみ
- 射出成形温度と降伏応力の関係
- 射出成形温度と靭性の関係
- ポリマーブレンドの力学特性に関する反応性相溶化剤と非反応性相溶化剤の役割
- 相溶化剤の役割
- 非反応系相溶化剤によるポリマーブレンドの力学特性改善
- 反応系相溶化剤によるポリマーブレンドの靭性改善
第3部 アポリマーアロイ、フィラー含有ポリマーの電子顕微鏡を中心とした解析
(2017年7月6日 13:30〜14:50)
- 透過型電子顕微鏡
- TEMとSTEM – EDXの原理
- 試料作製方法について
- 電子染色法の適用
- 電子染色法とは
- ポリマーの官能基と有効な染色剤
- 各種ポリマー材 料の適用例
- 例1 PP/PA
- 例2 PA/PB/PPO
- 例3 PE/PPの界面
- 例4 PLAアロイ
- 例5 ポリウレタン (AFMの位相像との相関について)
- 例6 トナー
- 例7 ゴム/セルロースナノファイバー
- 例8 自動車用タイヤ
- Ultra Sonicナイフの適用例
- 超薄切片法とFIBの比較
- 無機粒子含有ABS樹脂
- サングラスプラスチックレンズ
- トナー印刷紙
- 超薄切片法とFIBの長所,短所
第4部 ポリマーアロイによるポリマー材料の高機能化
(2017年7月6日 15:00〜16:20)
- ポリマーアロイの相構造・分散状態の制御と物性
- ポリマーアロイ・ブレンドと相溶性/相容性
- ポリマーアロイ・ブレンドの構造形成
- 発熱的相互作用による相溶化
- 相溶性に対する外部場の影響
- 相溶化、相容化の考え方
- 非相溶系における分散機構
- ポリマーアロイ・ブレンドの材料設計
- ポリマーアロイによる物性制御
~ポリカーボネート樹脂におけるアロイの物性制御例~
- PC/ポリアリレート (PAR) 系
- PC/ポリ – ε – カプロラクトン (PCL) 系
- PC/ABS系
- PC/芳香族ポリエステル (PEs) 系
- PC/ポリアミド (PA) 系
- PC/ポリオレフィン系