第1部 ゾル-ゲル法による有機-無機ハイブリッド材料の作製技術
(2017年6月23日 10:30〜14:00)
ゾル-ゲル法は金属アルコキシドのような有機化合物から比較的温和な反応条件で無機酸化物を合成する材料合成法で、セラミックスの低温合成法として注目され発展してきた。合成プロセスが多彩でバルク体、薄膜 (コーティング膜) 、ファイバー、粒子などいろいろな形態の製品の開発に応用されている。特に近年、有機、無機成分を分子レベルで複合化した有機-無機ハイブリッド材料の合成にこのゾル-ゲル法が使用されるに至って、種々の機能をもった高機能材料が盛んに開発され、光学・エレクトロニクス、塗料・コーティング、環境、エネルギーやバイオ・医療分野へ応用されている。
本セミナーでは、ゾル-ゲル法の概要 (加水分解・縮合反応、反応機構) および有機-無機ハイブリッド材料の開発 (材料設計、調製法、構造解析、物性評価など) と応用 (成形材料、コーティング材料、気体分離膜、熱伝導材料など) について基礎から用途開発までを具体的事例をふまえて実務に適したかたちでやさしく解説する。企業で新規な有機-無機ハイブリッド材料の開発を行っている研究者、技術者に実務に応用できる基礎から応用に至る知識習得に最適です。
- ゾル-ゲル法の基礎
- 開発の歴史
- ゾル-ゲル反応とは
- ゾル-ゲル法の特徴 (長所と短所)
- ゾル-ゲル法の課題
- ゾル-ゲル材料の機能と応用
- ゾル-ゲル法の概要
- 金属アルコキシドの反応性
- 酸・塩基触媒下の反応速度
- 加水分解反応と重縮合反応 (pHの影響)
- 反応メカニズム
- シリカ粒子生成メカニズム
- シリカ粒子の合成と粒径制御
- ゾル-ゲル法による有機-無機ハイブリッド材料の合成
- 有機-無機ハイブリッドの材料設計
- 有機-無機ハイブリッド材料の調製法
- 溶液混合法/溶融混練法
- 層間挿入法 (層剥離法)
- ゾル-ゲル法
- 超微粒子分散法 (in situ重合法)
- 表面修飾粒子法 (コアシェル構造型ハイブリッド材料)
- ハイブリッド化による界面・分散性の制御-シランカップリング剤の活用
- 種々な有機-無機ハイブリッド材料の調製と特性
- 汎用 (熱可塑性) 樹脂 (PMMA、PC、PSなど)
- 耐熱性・熱硬化性樹脂 (PI、エポキシ樹脂など)
- 有機-無機ハイブリッド材料の応用
- 樹脂、エラストマーの架橋
- 成型材料への応用
- 塗料・コーティング剤への応用
- 気体分離膜への応用
- 参考図書
第2部 ゾル-ゲル法による薄膜形成技術と構造制御
(2017年6月23日 14:15〜16:30)
- ゾル-ゲル法による薄膜形成
- ゾル-ゲル法の基礎知識
- ゾル-ゲル法の基本的な工程
- ゾル-ゲル法の適用範囲
- 出発原料と加水分解・重合反応
- ゾル-ゲル液を用いた成膜手法
- スピンコート
- ディップコート
- ロールコート
- バーコート
- スプレーコート
- ゾル-ゲル法による膜構造制御
- 膜構造制御の考え方
- 前駆体構造の微細構造に与える影響
- 有機無機ハイブリッド技術の応用による微細孔導入と結晶化挙動に与える影響
- フッ素導入前駆体を用いた固液相分離による微細構造制御
- ゾル-ゲル法を用いた機能性薄膜への応用
- 光学薄膜の形成
- 屈折率制御薄膜
- 鈍角気孔を含有する高硬度低屈折率シリカ膜
- 誘電体膜の形成
- 光触媒膜の形成
- 塗布法によるチタニア膜の形成
- 結晶性アナターゼ膜の低温形成
- 透明導電膜の形成
- 塗布法によるITO膜の形成
- ゾル-ゲル法によるITO膜の低温形成の可能性
- 紫外線カット膜の形成
- UV遮蔽に適用可能な素材
- 酸化チタン系膜
- 酸化セリア系膜