濃厚系 微粒子分散・凝集評価の肝心要

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本セミナーでは、実用プロセスで重要なスラリー特性と評価をできるだけ専門用語を用いずに解説いたします。

日時

開催予定

プログラム

第1部 粒度分布・ゼータ電位測定による分散・凝集状態の見極め

(2017年6月9日 10:00〜11:30)

 近年、エレクトロニクス製品に代表されるように多くの新製品は、いずれも微粒子・ナノ粒子などからなる濃厚分散系を用いたプロセスを経て製品化される。しかし、いずれの分散系も粒子濃度が高いが故に光をプローブとする従来法を適用することは難しく、十分な評価が行われていないのが現状である。  本講では、分散性や分散安定性の定義など基礎的事項の説明だけでなく、実用粒子分散系の最新評価手法について解説する。濃厚分散系を扱う技術者の方で評価を行いたくても適当な手法がなくて諦めておられた方に聴講して頂ければ幸いです。

  1. 微粒子・ナノ粒子濃厚分散系開発で遭遇する問題点
    1. 1次粒子と凝集粒子、いずれを評価すべきか?
    2. 粒子の粒度分布を測定するための最適手法とは? – 濃厚系を希釈して測ってもよいのか? -
    3. 分散性と分散安定性の定義とは? – 実用系で観察される現象とそれへの対策 -
    4. 同じように作っても、特性はなぜ違うのか? – ロット間の差を見出す -
    5. トラブルの原因は界面特性にあり?
  2. 微粒子・ナノ粒子濃厚分散系の評価方法
    1. 遠心沈降分析法による評価 (スクリーニングおよび品質管理法としての活用法)
    2. 超音波スペクトロスコピーによる評価 (原因究明手法としての活用法)
    3. パルスNMR法による評価 (プロセス管理法・粉砕工程管理法としての活用法)

第2部 微粒子の表面・界面評価と分散安定化に向けた制御

(2017年6月9日 11:40〜13:00)

 微粒子は固体でありながら気体とともに舞ったり、液体のようにコップに入れたりすることができます。  このような粉体、微粒子を正しく扱うためには、粉の性質や粒子間の付着力について知る必要があります。液相中においてはDLVO理論を学習することにより、スラリーの分散・凝集のメカニズムが理解できます。また、化学的な表面処理方法を知ることにより、ハンドリング性の向上、特に分散性の改善や制御技術に活かすことができます。さらに粉砕操作を用いたメカノケミカル処理についても実験例で概説します。

  1. はじめに (粉とは)
  2. 微粒子の分散・凝集メカニズム
    1. 微粒子にはたらく付着力
    2. 粉体の力学的特性 (粉体の流動性)
    3. 微粒子の表面電位
    4. 液相における微粒子のDLVO理論
  3. 微粒子の表面改質・分散安定化法
    1. 吸着の原理
    2. 界面活性剤の吸着による表面改質
    3. 水溶性高分子の吸着による表面改質
    4. カップリング剤処理による表面改質
    5. 粉砕法 (メカノケミカル法) による表面改質
  4. おわりに (まとめ)

第3部 スラリーの浸透圧・沈降静水圧測定による分散性評価

(2017年6月9日 13:40〜15:00)

 スラリー (粒子分散液) は、セラミックスや化粧品、医薬品、食品など幅広い産業分野で使われています。このときスラリー中の粒子分散・凝集状態を適切に制御することで所望の特性を有する製品を製造することが可能となります。  本講座では、スラリー中の粒子分散・凝集状態を適切に制御するために、粒子分散・凝集状態を的確に評価できる技術について解説します。

  1. イントロダクション
    1. なぜスラリーが必要なのか?
    2. スラリー評価の前に考えるべきこと
  2. 粒子の分散・凝集評価方法
    1. 重力沈降・遠心沈降法
    2. 沈降静水圧法
    3. 浸透圧測定法 ーナノ粒子スラリーの評価法ー
    4. 直接観察法
  3. 流動性評価と分散・凝集
    1. 流動曲線
    2. 粒子分散・凝集状態との相関
    3. 流動性から分散・凝集状態を予測する上での注意点
  4. スラリー評価の応用例
    1. 沈降法のスプレードライへの応用 ーセラミックスプレス成形の最適化ー
    2. 多成分スラリーの評価 ーリチウムイオン電池正極材料スラリーを例にー
  5. まとめ

第4部 粘度・粘弾性測定によるスラリー特性の評価

(2017年6月9日 15:10〜16:30)

 スラリーの分散性評価や塗布工程での問題解決法に役に立つ、粘度、動的粘弾性による評価法ついて解説します。  粘度や動的粘弾性は、数式の理解だけでは実務へ応用することは難しいことが多い学問です。本セミナーでは、粘度、動的粘弾性それぞれのパラメーターがスラリーのどのような性質や状態をとらえているのかをモデルにより理解し、分散性評価や工程での問題解決に応用できる基礎力を身に着けることがねらいです。

  1. 粘度による評価
    1. 分散系材料のモデル
    2. ニュートン流動、非ニュートン流動
    3. 粘度の理論式 せん断速度、せん断応力
    4. 粘度計の種類と特徴
    5. 粘度測定のモードと評価法
    6. 測定例
  2. 動的粘弾性とは
    1. 粘度と粘弾性を目で見てみる、触ってみる
    2. 動的粘弾性は何を測定しているのか?
    3. 動的粘弾性測定装置の測定原理
    4. 主な測定モードとどのように測定条件を決めたら良いのか?
    5. 応力/ひずみ依存 周波数依存 温度依存
    6. 測定例

会場

連合会館
101-0062 東京都 千代田区 神田駿河台三丁目2-11
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