この講座は「なぜ架橋反応が必要か」と「架橋反応に利用できる条件」を中心に、現在実際に使用されている架橋反応が選択された理由および使用上の注意事項についてわかり易く解説する。
- 架橋の概要と目的
- 被塗物上に塗布した後、架橋・高分子化により塗布の容易さと性能を両立させる
- 高分子ポリマー粒子 (ラテックス) 融合塗膜を架橋により高性能化する
- 非相溶性ポリマー間を結合してハイブリッドフィルムを作る
- 熱力学的に不安定なミクロ相分離状態を架橋により固定し高性能を持続させる
- 架橋反応に必要な条件
- 架橋系として成立する基本条件
- 特定の官能基との高反応性
- 架橋結合との安定性
- 官能基間の接触
- 液加熱硬化反応を最適にする条件
- 貯蔵安定性
- 活性化エネルギー
- 触媒
- ブロック剤
- 潜在触媒
- 常温1液架橋を可能にする条件
- 常温水性2液架橋を効率的に行う条件
(樹脂・架橋剤・触媒の相分離状態を利用する
- 水系で高硬度の塗膜を得る方法
- 高分子間の架橋と低分子の架橋剤で架橋した場合の違い
- 架橋系の種類と選択
(各種架橋系の基本的な特徴をまとめ、最適架橋の一次選択を可能にする)
- メラニン架橋
- 酸化重合硬化
- 炭素-炭素2重結合の重合
- イソシアネート架橋
- ブロックイソシアネート架橋
- シラノール架橋
- エポキシ架橋
- ヒドラジド架橋
- カルボジイミド架橋
- アセトアセキトン架橋
- エステル化反応による架橋
- その他の架橋系
- 適用例 (代表的な架橋系を例にとって架橋反応の実態を知る)
- メラニン架橋条件と塗膜の安定性との関係 (加水分解性・耐酸雨性)
- 酸化重合架橋反応の解説と多方面での利用の可能性
(ウレタン樹脂・アクリル樹脂・その他とのハイブリッド化によるアルキッド樹脂の速乾・高硬度化)
- 水性2液ウレタン架橋系における問題点
- 水性2液エポキシ架橋系における問題点
- 水性樹脂のアルコキシシラン基による架橋における注意点
(安定製造・安定貯蔵の可能性)
- カルボニル-ヒドラジド架橋による常温1液架橋を可能にする条件
- 今後に期待する架橋手段
- 架橋と分解が共にコントール出来る架橋系
- 分子間凝縮による疑架橋