高分子成形加工における配向結晶化挙動・構造制御と材料開発への応用

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本セミナーでは、結晶化・伸長の基礎から解説し、これらを利用した材料開発、物性発現について詳解いたします。

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プログラム

第1部 成形プロセス中の高分子の配向結晶化機構と高次構造制 (13:00~14:40)

 高分子の溶融成形プロセス中の結晶化は、温度変化を伴う非等温下のプロセスであるとともに流動・変形を伴う応力場・非等方場でのプロセスでもある。  このような複雑な場で起こる結晶化を伴う高次構造形成のメカニズムを、結晶化速度と冷却速度の関係、結晶化の発熱の影響、配向誘起の結晶化と結晶化に伴う自発的な配向形成、シシーケバブ構造形成などの観点から、なるべく平易に解説する。  高次構造制御は、成形品物性制御の観点から極めて重要である。

  1. 成形プロセス中の結晶化の基礎
    1. 冷却過程での結晶化
      1. 準静的扱い、アブラミの式の非等温への拡張、結晶化潜熱の発生速度と冷却速度
      2. 準静的扱いの限界、核形成・成長
    2. 流動場での結晶化
      1. 応力-光学則、結晶化速度の配向度依存性、流動の記憶効果
      2. シシーケバブ構造形成
  2. 成形プロセス中の結晶化の解析事例
    1. オンライン計測手法
      1. 温度計測
      2. 応力計測
      3. 速度計測
      4. 複屈折計測
      5. X線回折測定
    2. 溶融紡糸過程の解析
      1. 温度測定による配向結晶化速度解析、複屈折計測による結晶化挙動の推定
      2. 広角X線回折測定による結晶化挙動解析
    3. フィルム成形過程
      1. 一軸伸長過程・二軸伸長過程の結晶化、面配向
    4. 溶融成形過程の移動現象論と高次構造形成
      1. 高次構造形成を伴う系のモデル化、熱収支、構成則への影響

第2部 高分子鎖の伸長変形能とそれを利用した材料開発 (14:50~16:30)

 多数の屈曲性高分子鎖は伸長変形能を有する。これを利用した材料の一例がフィルムやゴムである。  ここでは、高分子鎖変形で発生する特異な物性、変形方法、変形後の構造固定などについて物性との相関も含めて平易に解説する。さらに、要求特性に応じた物性を発現させるための基本を概説する。

  1. 高分子物質の特徴
    1. 高分子物質の変形
    2. 高分子鎖の変形
    3. 高分子鎖の運動と基本物性
    4. 高分子鎖の形を固定化する
    5. 固定化と物性の相関
    6. 分子鎖の形と物性の相関
  2. 分子鎖配向
    1. 分子鎖配向の重要性
    2. 分子鎖配向にともなう構造と物性の変化
    3. 分子鎖配向の表し方
  3. 構造制御
    1. 高分子鎖の引き伸ばしと配向
    2. 分子鎖の引き伸ばし比 (延伸比)
    3. 巨視的延伸比
  4. 力学的高性能化をめざした構造制御
    1. 力学的高性能化とは
    2. 延伸加工の種類
    3. 延伸によって発生する分子鎖配向と構造変化
    4. 延伸条件の最適化とは
  5. ゴム材料の基本物性
    1. ゴム材料の物性を支配する因子
    2. マトリックス相の構造制御
    3. 分散相の構造制御
  6. ゴム材料の高性能化とは
    1. ニーズへの対応
    2. 素材の選択
    3. 力学特性の制御
    4. 耐久性に対する考え方
    5. 問題点
  7. 将来展望とまとめ

会場

江東区産業会館
135-0016 東京都 江東区 東陽4丁目5-18
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